第10話

出来る事なら暴れてモナ達をメッチャメチャにしてやりたいけど。

そのふわふわした男ウケのいい髪の毛を引っ掴んで、むしり取ってやりたいけど。




出来ることなら。

こんなあたしにできることなら。




でもそもそもの話。

今想像したような反抗的なことができていれば、今こんな目に遭っているはずもないわけで。

こんな人気のない、体育倉庫にみすみすついて来ちゃうような、うっかりなことだってないわけで。




つまりはそんな。

素直で従順な性格しか取り柄のないあたしに、反抗するなんて言う勇気や根性なんてあるはずもない。






でもそんな。素直で従順なあたしだって、やっぱり今の状況は辛いし、しんどい。

だって人間だもの。

一応生理なんてきちゃってるあたしだもの。




でも生理が来てる人間のあたしにだって、そりゃ知らないこともある。

たかが15年。この世に生を受けて・・・・・・。うける羽目になってたかが15年。




されど15年とも言いたくなるような15年間なワケなんだけど。

自分でも言ってみたくなるくらいには、ソコソコ波乱万丈だったりするんだけど。




それでも知らないことだってある。

一方的な“攻撃”が、こんなにつらいことだとは知らなかった。

こんなにもしんどくて、痛みを伴うことなんだと言うことは、知らなかった。





“攻撃”がこんな過酷で孤独なモノだと、知らなかった。

たかが15年。

されど15年。





世間ではこういう“攻撃”を、「イジメ」って言うことくらいは把握している。理解している。

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