現 実
第2話
「ねぇ、ゆずっていっつも男にニコニコしてたけどさぉ。何なの?モナに喧嘩売ろうっての?」
男にニコニコ、とか。
それはアンタでしょと。
噛みしめ過ぎて震える唇は言葉を紡いではくれない。
あぁ、素直すぎる自分が憎らしい。
こんな時ですら否定できなあ自分が恨めしい。
逃げたくとも背中は壁に押しつけられ、前に出ようと足を踏み出したところでその足だって容赦なく蹴りつけられるのが目に見えている。
その未来なんかが見えたりしたって、今のあたしにはどうすることもできない。
この危うい状況をただ素直に受け止めるコトしか出来ない。
もしこの状況を馬鹿だと嘲笑う人が多数を占めるなら、それは勿論普通のことだと思う。
だって誰も他人に自分の体を攻撃されたくないし、ましてやその攻撃をしたくもないんだろうと思う。
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