第7話
背後から囁かれた、狂気混じりの男の落ち着いた声色。
男特有のほんのり香る、甘いチョコの香り。
そして、既に気づいた時には地面に押し出すように、肩にのせられた男らしく骨ばった大きな手で押さえつけられていた。
「やめろッ!! 離せッ!!」
突然の事に驚きつつも、いつも通りの低い声色の男口調で話し、油断を解かない事に必死になる。
「威勢のいい事で何よりだけど、ちょっとばかりか大人しくして欲しいなぁ」
暴れる脚を動かぬように男の足が覆いかぶさったのか、その重さで一瞬にして固定される。
「へっ?!」
「これで、じっとしてられるかなぁ?」
「ゔッ……ッ」
ただ、押し付けられているだけ。
その、体勢にも関わらず容易に立ち上がれないこの状態に陥られてしまう。
「脚、上手く動かせないでしょ、でも、俺は力をゆるめる気は一切無いから大変になりそうだね」
男は優しげな包み込むような声色でわざと私の耳元で囁くように声を漏らす。
「なっ……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます