第6話:ラブホテルで二泊目
もう、祥子さんとこういった遠征……旅行をする時の、定番。
宿泊用のお宿は。
ラブ・ホテル。
お付き合いとかの以前の、普通に、ただの知り合いレベルで一緒に旅行するだけの時点で。
値段が安いから、って言うのと、予約が取りやすい、とか、撮影場所に近い、とかって理由で。
祥子さんが、ラブ・ホテルを予約。
まぁ、女同士だし。
最初は少し、戸惑いもあったけど、普通の宿として考えれば、確かに、利便性は、高い。
野鳥撮影の現場ともなれば、山奥とか、人里離れたところも多く。
そういった近くに、ビジネスホテルとか、あんまり無いし、ね。
民宿とか、旅館とかなら、あったりもするんだけど。
価格的な面や、あと、チェックインの時間の自由さも、わりと便利だったり、する。
野鳥撮影って、朝が早かったりするので、あわせてチェックインも早くしたい時があるけど。
普通のホテルだと、チェックインの時間がわりと遅かったりするし、ね。
そんな感じで。
昨日も泊まったのと同じラブホに『戻って』きて。
ただ、部屋は、昨日とは違う部屋。
昨日の部屋は、今日は、うん、すでに利用されてますね。
うひゃぁ。
あの部屋で、昨日は、女・女で。
今日は、男・女?
いや、昨今の事情で言えば、わたしたちのように女・女かもしれず。
もしかしたら、男・男の、可能性も、あり。
女性グループの『ラブホ女子会』とかも言われて久しいけど、根強く残ってたりするらしいしね。
まさか、確かめに行くわけにもいかず。
そこは、ご想像に、って、ことで。
夕食は済ませてあるので、先ずは、お風呂。
そうそう、ラブホのメリットとして、わりとゆったり、ふたりで一緒に、入れちゃう、こと。
温泉宿とかなら別だけど、ビジホだと、ユニットバスとかで、味気ないし、ね。
「
「あ、やっぱりそう見えます?」
わずか、では、ありますが。
なんとなく。
「うん、ちょっと重量感が、増えたような気がするわ」
「ブラのサイズとか、変わってる感じはないんですけどねぇ」
なんて。
原因は、明らかに、祥子さんとお付き合い始めたこと、だろうなぁ。
刺激を受ける事が多くなって、ホルモンがー、とか、って感じ?
今も。
祥子さんを背に、湯船に浸かってると。
祥子さんの腕が前に伸びてきて、もにゅ、もにゅ、と。
「わたしはもうねぇ、成長とか無理っぽいけど、
「うぅ、わたしも、もう、そろそろヤばいと思いますけどねぇ」
お母さんから昔聞いた。
『女性の、お肌の、曲がり角』
そんな年齢を、突破しちゃってるし、ね。
祥子さんと一緒に、お風呂でゆったりした後は。
ふたりきりとは、いえ、まさに女子会的に。
「寝る前にこんなに食べるのはよくないんだけども」
「ですよねぇ。とは、言え」
コンビニで買いこんできた、スゥイーツとかで。
酒盛り、ならぬ、ジュース盛り。
明日の朝に支障が出ないようにってのもあるけど。
そもそも、ふたりともアルコールが、苦手だったりもするので。
お酒は、本当に、時間とか、余裕のある、特別な日に、だけ。
なので、今日はノンアルと言うよりは、少し甘めの、ソフトドリンク。
「明日はどうしよっか? 今日と同じ場所でねばるか、別の場所、行ってみるか」
「うーん、微妙ですねぇ。今日も一応、数は少なかったですけど、一応、小鳥さんも来てくれましたし」
「そうよねぇ、そういう意味では、今日のところの方が確実かもしれないわねぇ」
なんて。
少しお喋りした後は。
「そろそろ、寝ましょうか」
「ええ、明日も早いですし、ね」
って事で。
ホテル本来の、用途である、宿泊。
寝泊まり。
なのですが。
ここは、ホテルはホテルでも、ラブ・ホテル。
寝る、と言っても、ただ眠るだけでは、無く。
本来の用途である、ごにょごにょ、も、含めて。
最終的には、お疲れ様ってことで、きちんと眠って。
朝、起きたら。
またベッドの上と言わず、周りと言わず、脱ぎ散らかした下着やら、衣服を回収してからのシャワーへと。
繰り返される、日常的な、非・日常。
あの頃には、思いもよらなかった、非・日常が。
今では、日常へと、進化して。
そんな今日は。
山道の運転とかも影響して、疲れているのか、祥子さんはまだ、お休み中。
わたしだけ起き出して、こっそりと。
シャワーを終えて、ドライヤーで髪を乾かしていると、その音で目覚めたのか、祥子さんが脱衣所へとやってきて。
「むぅ、起こしてくれればよかったのに」
と、言いながら、おはようの、ご挨拶を、唇と、唇で。
「んふふ、可愛い寝顔、堪能させていただきました、よ」
「んー、今日は山道も
「えー」
「あはは、じゃあ、シャワーしてくるね」
「はーい」
毎日じゃないけど。
時折、こうやって。
ふたりで。
でも。
これを、毎日できたら。
もっと、もっと。
幸せ、なのかなぁ。
とか。
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