第25話

「もう終わりか?」


今度は上手くできたと思ったのに、蒼は満足していないらしい。


「……う、うん」


今夜の蒼は受け身だから、私からのキスはこれが精いっぱいだよ。


「しょうがないな。……お返しだ」


すぐさま唇が塞がれて、情熱的なキスをお見舞いされる。


私の稚拙なキスのプレゼントにしては過剰なほどのキスが返ってきて、ついて行くのもままならない。


どうしようもなく体が熱くなって、もう何も考えられなくなる。


やっと唇が自由になって大きく息を吸った次の瞬間、耳元に吐息が掛かった。


「続きはここでする? それともベッドがいいか?」


「……ベッド」


ゾクゾクする快感を抑えて、やっとの思いでそれだけ答えた。


それから素早くベッドに運ばれて、甘く熱いバレンタインデーの幕が開けた。



                     ~fin~

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「25%の恋」書籍化記念ショートストーリー特別公開中 葉月星夜 @haduki0331

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