第3話
「やだ、見ないで!」
慌てて両手で胸を隠した。
その両手を彼の手でほどかれる。
「どこもかしこも肌が透けるように白くて、形のいい豊かな胸も、引き締まったウエストも、滑らかな曲線を描く腰も、バランスのいい手足も、どんなに魅力的かお前はちっとも分かってない」
な、何ですか?
その褒め殺しのような言葉は。
体を直視されて、慣れない褒め言葉を浴びて、恥ずかしさで眩暈がしそうだ。
彼の両手が私の頬を包み込む。
そして、私の目をしっかり捉えて、さらに言葉を続ける。
「この血色のいい柔らかい頬も、パッチリとした優しい瞳も、摘まみたくなる可愛い鼻も、そしてふっくらと瑞々しい赤い果実のような唇も、たまらなく魅力的だ」
あ、蒼ってこんなに饒舌な人だったっけ?
次から次に零される歯の浮くような言葉の数々に、唖然とする。
いくら何でも言い過ぎだから。
今日の蒼は浮かれていたり、あふれるような甘い言葉を吐いたり、いろいろと変だ。
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