~to the future~
side直
第21話
増「大丈夫…チャマが誰を呼んでも、俺は大好きだから…何も変わらないから…」
快感が俺を追い詰める。
部屋中を彷徨う吐息が、全てを狂わせる。
直『…ふじ、くん…』
増「…うん」
それが答え?
瞳がそう聞いてくる。
直『ふじく…ぁ、あぁっ…藤くん、藤くんっ』
ヒロの手に酔いながら、壊れたオルゴールのように何度も何度も繰り返した。
誰か助けて。
ヒロに抱かれながら藤くんを想い、秀ちゃんに謝りたくてしょうがない、俺は本当に最低の人間だ。
でも、でもおまえだって。
増「ねぇ…あいつは今、どんなことしてる?」
直『…え?…あぁっ、や、ぅあ…っ』
増「答えて。今どんなことされてるの?」
実際にしているのはヒロじゃないか。
そう思った瞬間、俺の中が一気に熱い快楽で満たされた。
直『ああん!!はぁっ、や、あぁっ…!!』
増「はぁっ…チャマ…ほら…答えろよ」
直『ぁ、ん、入って、くるよぉ…すごい…っ』
その時、ヒロがちらっと顔を上げた。何を見たんだろうか、一瞬だけ笑った気がした。
でもまたすぐに速くなる動き。遮断される思考。
増「チャマ。チャマ、どう?」
直『あぁ!や、ん、あぁ…おっきい…気持ちいい、よぉ…はぁ、あ!藤、くんっ…ゃあ…』
手で目をふさがれ、視界を塗りつぶす黒に、それでもなお現れ続ける顔。
直『…もうっ…だめ…!おねがぃ…!』
増「ん…?」
直『いっちゃう…1人で、いくの…やだぁ…』
追い詰められた絶頂ですら、かの人を求める。
そんな自分が怖くて目の前のヒロにねだる。
増「でも…」
直『お、ねがいっ…いっしょに…』
増「…チャマ…」
怖い。さみしい。1人にしないで。
涙混じりの懇願は、どう受け取られたのだろうか。
増「っ、はっ、はぁ、チャマ…っ!!」
直『や、ぁあ!!っ…』
最後に呼びたい名前は、誰?
増「…愛してるよ…」
直『………っ』
―――ヒロの腕にしがみつきながら、藤くんと秀ちゃんの顔がかわるがわる目の奥に浮かび上がり…、消えていった。
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