第2話 壊すか使うか
孝也がひと言も話さないのは……私がゴミ箱に投げ捨てた
「どうせ、引っ越し屋が来るのは明日だし、今日はもう止め!アンタも部活行ったら!」
「……うん」
「どうしたの? まだバイト代、欲しがってんの?」
「そうじゃなくて、このベッド壊すんだろ?! お姉一人じゃ無理だ!」
「そうねえ~男手が要るか……それともベッド壊す事自体を止めるか」
「ベッドは場所取るから新居には置かないって言ってたじゃん!」
私はベッドに腰を下ろした。
「今日はこのまま寝て……明日、
「やめろよ!!!」
その言葉と共に私は孝也に物凄い力で押し倒されていた。
孝也の血潮のうねりが彼の手のひらを通して私の肩に伝わって来る。
どうしよう??
このまま行ったら……
責任を取るのはやっぱり私の方だよね……
彼の家族と私の家族の顔が頭に浮かぶ。
まあ、それもありかな……
私がそっと目を閉じると孝也は私にキスの雨を降らせ、
「ダメ!その前にゴミ箱の中をまさぐって見つけて来て! そしてちゃんと手を洗って!」
おしまい
まさぐる 縞間かおる @kurosirokaede
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます