第3話 初日の戦果

 「グギャ…」


 『魔力が1UPしました』


 『筋力が1UPしました』


 『頑丈が1UPしました』


 『敏捷が1UPしました』


 『知力が1UPしました』


 『精神が1UPしました』


 『器用が1UPしました』


 『幸運が1UPしました』


 『【棍棒術】Lv.2にUPしました』


 三匹目のゴブリンを討伐し、近くの木の根元に腰を下ろす。戦闘の緊張感から解放され、思わず息を吐く。


 周囲の警戒や戦闘、解体作業など、慣れない環境での活動が大きなストレスとなり、重く自分に伸し掛かる。


 「ふぅ…よし! あと二匹、二匹討伐したら、今日は帰ろう」


 最初から無理をすれば、負わなくて済んだ怪我をしたり、最悪命を落とす可能性もある。


 立ち上がり尻の土埃を払うと、入口のほうへ方向転換し、残り二匹の討伐目指して歩き始めた。


♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢


 ダンジョンを退場すると、空は夕焼けに染まっていた。


 ハンターギルドからの出張所であり、素材と魔石の検分・買取をしてくれる建物に向かい、換金を済ませる。


 「右耳五個と魔石五個の買取は、10,000円。普通に働くサラリーマンよりは稼げてるが…」


 ハンターは、武具など消耗品の買い替えや整備が必要になるため、お金の消費が激しい。


 それを考えれば、まだまだ稼ぎは少ない。ハンターを続けるためにも、毎日コツコツ稼ぎ続けることが大事になる。


 忘れずにハンターの必需品を取り扱っている店により、解体用ナイフや水筒などを購入する。


 「ただいま!」


 「お帰りなさい。お風呂沸いてるから、先に入ってきなさい」


 「分かった」


 お風呂で汗と疲れを流し、母さんが作ってくれた料理に手を伸ばすが、あまり食欲が無い。


 「どうした?」


 「父さん…ちょっと食欲が無くてね」


 「そうか。今日はどうだった? 念願だったダンジョンに行ってきたんだろ?」


 「想像以上に大変だったよ。周囲の警戒を怠ることはできないし、魔物と戦うのは命懸けだし、解体作業はグロテスクで何度も吐いたよ」


 「想像と現実のギャップに苦しむことは、よくあることだ。煌びやかな活躍から勝手に妄想し、実体験で現実を知り心折れる者も多いだろう」


 「そう、だね…」


 「それで、お前はこれからどうするんだ?」


 「俺は諦めないよ。確かに現実を目の当たりにしたけど、魔物との戦闘や素材換金で達成感もあったし、まだまだ頑張るよ!」


 「唯人、無理だけはするなよ」


 「分かった」


 父さんと話したことで気持ちが楽になり、少し食欲が湧いてきたので、料理に手を付け始めた。


♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢


 夕食を食べ終え、自室のベットに寝転がり、ステータスウィンドウを表示する。


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(更新された部分のみ表示)


【能力値】

・魔力 15(10+5)

・筋力 18(10+8)

・頑丈 10(5+5)

・敏捷 15(10+5)

・知力 10(10+5)

・精神 10(5+5)

・器用 13(5+8)

・幸運 15(10+5)


【スキル】

[魔物系統]

 ・【棍棒術】Lv.2

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 今日は目標通り、ゴブリン五匹を討伐した。ゴブリン一匹討伐する毎に、魔力値、筋力値、頑丈値、敏捷値、知力値、精神値、幸運値━━━全能力値が1ずつ上昇した。


 10%分が加わった結果であれば、ゴブリンの全能力値は、10以上だったということ。あるいは、小数点以下を四捨五入するのであれば、5以上だったということ。


 今回の件で最下級のEランク魔物は、能力値が10前後ということが分かった。


 そして、スキルの分類に視線を移すと、新たに[魔物系統]が追加されていた。


 「【棍棒術】って何だろ?」


 遭遇したゴブリンは、全て木の棍棒を所持していた。スキルとしてあるということは、棍棒の扱いが上手くなる的なスキルだろうか?


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【棍棒術】Lv.2

 棍棒の扱いが習熟し、攻撃または防御動作に補正がかかる。筋力+2、器用+2

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 スキルの詳細説明には、予想通りの内容が表記されていた。なので、一番驚いたのは、スキルの獲得でも能力値が上昇すること。


 とても嬉しい情報が判明したわけだが、一つ気になることがある。それは、これが[魔物系統]のスキルのみなのか、ということ。


 これは後々、他の系統のスキルを獲得した時、見比べてみれば分かることか。


 本日の戦果を確認し終えると、疲れが溜まっていたせいか、すぐに深い眠りについた。

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