【詩】桜の思い出

恩子

【詩】桜の思い出

うすもも色の はかなげな花びらが

ひらひら ひらと舞う

浅い季節の 花冷えの夜


タクシーは 無口のまま

暗闇の中から 光の中へ

花明かりに 誘われて

迷いもせずに 走り続ける


突然 目の前に出でる

見事な 桜のトンネル

過去から 未来へと

未来から 過去へと

タイムスリップしたかのごとく


うすもも色の 桜のトンネルは 続く

心もち スピードを緩めながら

愛でる 桜のトンネル


哲学堂下の 桜のトンネル

淡き恋の なつかしき思い出


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【詩】桜の思い出 恩子 @onshi55

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