第9話予言者⑤
7月4日12:00PM 喫茶店normal
「4人目、一人暮らしだと思うか?」
「とりあえず指輪とかはしてなかったですよね。」
神瀬と寺坂はnormalで作戦会議を行っていた。
「実家暮らしって感じでもなさそうですし、一人暮らしじゃないですか?」
「そうなると厄介だよなあ。人がいればいいが…。また鍵開けて入っちまうか?」
「そのほうがいいかもしれないですね。」
そう言って寺坂はマスター特性のミートソースを口に運ぶ。
「開けられると思うか?」
「行ってみないとなんとも…。」
寺坂は簡単な鍵ならピッキングができる。神瀬にできるようになれと言われたので最近学んだのだ。
「新が家の中調べてくれ。僕は周りを見張ってる。」
「え、俺だけで家入るんですか?」
「なんだ、不満か?」
「不満と言うか、女性の部屋なんで抵抗感ありますね。」
「まったく、これだから童貞は…。」
「…それ関係あります?」
「しかたない、結朱を連れてくか。」
「鍵が開かないと困りますし、そのほうがいいと思います。」
神瀬は一度店を出て、茜結朱(あかね ゆず)に電話をかける。
「結朱―。新が童貞でさー。」
『…それ今しないといけない電話ですか?』
「それで鍵開けてほしいんだけど。」
『結局それなんですね…。どんな鍵ですか?』
「わからん。」
『じゃあ道具一式持ってくしかないですね。家まで迎えに来てくれますか?』
「分かったよ。じゃ。」
結朱がきてくれるほうが人が居る場合も安心か。
そう納得しながら神瀬は店内に戻る。
「早く食え新。結朱のとこに行くぞ。」
「あ、ふぁい。」
新は口に入ったパスタと急いで飲み込む。
「じゃあ車店の前につけます。」
「ああ。」
それにしても神輿谷大学の職員とアポロン通信の社員が死んでいるというのが少し引っ掛かる。
アポロン通信は宗教組織の息がかかった会社だ。それに神輿谷大学にはその宗教団体とつながりがある人物がいるとのうわさもある。
神瀬は怪しい宗教組織は調査するようにしている。
…嫌な予感がするな。
神瀬は胸のざわつきを感じながら車に乗り込んだ。
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