カウンター……隅の指定席(主催者の独り言)


 ────カウンター席の一番端。

 顔なじみでもあるここのマスターの眼の前で、談笑しながらも愚痴をこぼし、開店からずっと飲んだくれている人物が……ひとり。実はこの人物……このコロシアムを企画した本人でもあるらしい。お忍びで群衆に紛れ込み、酒を酌み交わす純文闘士たちの話に聞き耳を立てているのである………。



 ────────────



 からんころん……

(↑グラスの氷の鳴る音)



 うぃ、かんぱーい。おつかれさん。

 ……まぁ、うん。実際大変ではあったねぇ。

 長い作品をガッツリ読んだのは、企画では初めてだったし。


 推薦という仕組み自体はなかなかハマった仕掛けだとは思うけど、推薦されたら読まずにいられないというのは主催者のさがでもあり、誠意だとも思うの。

 だけどねー、企画の中日を過ぎた頃から読む速度が追いつかなくなってきて💦 あたしもトシだからねぇ……眼が辛いの、首が軋むの。最終盤なんか、コメント返しも覚束ない有り様よ……ほんと、参加者には申し訳ないことした……。

 そう言う意味では、読み闘士として一緒に闘ってくれた参加者には本当に感謝しか無いわ。(本当にありがとうございます!!)いつもは一人で孤独に作品と向き合う日々だったけど、他にも同じ作品読んで感想書いてくれてる人がいるっていうのは……新鮮で心地良い経験だったわ。


 いいもんよね、文芸仲間って────ふふふ、マスターもそう思う?


 特に今回は長い作品も含まれていたから、どうしたって時間がかかるし。でもね、いつも短編作品ばかりの募集だったから、長い作品にも光を当てたいという思惑があったことは事実だよ? それでも、十万文字枠目一杯使った作品はそう多くはなかったけれど……。どうしたって、読まれやすいボリュームゾーンは5000文字前後、ってとこでしょ。たぶんみんな、ちょっと長いのを読んでは短いのに行って、また長いの……みたいな読み方でしょ?

 でね、これは……ほんと参加者には申し訳ないんだけど、企画の最中もなんか別なもの読みたくなって、企画以外の作品をつまみ食いしちゃったりもしたわけよ💦

 味変、ってやつかなこれ。え、浮気……? ────そうかも。

 次回は、もっと作品の文字数上限を少なくするべきかしらね。なんか、直接ご意見もいただいちゃったし💦 んーそれより、☆の上限設定かしらね?


 そんな中、一万文字以上五万文字以下くらいの長さの良作に恵まれたのは、一つ今回の成果として挙げてもいいんじゃないかなぁ。普段、どの企画でも見過ごされてるサイズだからねぇ。レビューもいっぱい書いてもらえたし、参加作品への波及効果もそれなりにあったんじゃないかなぁ。

 まあ実際は……、参加者自身も必死に読んでいた、という側面はあるかもしれないw なんだかんだでカクヨムだから、読み合いギブアンドテイクの空気はどうしたって残っちゃうわけで……。

 それでも、いつもの企画よりは格段に読みやすい作品ばかりだったのは、意外な発見だったかなぁ。あたし、主食が純文かもしれない……なんて思ったわよ? 必然的に文章力の高い人が集まるだろうとは思ってたけど、目に見えていつもよりレベルの高い作品が多い印象……。読んでて苦痛になるような変な日本語の作品は、ほとんど無かったかなぁ────言っちゃなんだけど、100作品超える企画のときには一割くらいは作品も混じってくるもので。


 課題というか、要検討項目としては……やっぱり企画の期間? 


 あんまり長くヤると企画主としても負担がでかいし、辛くなるようだとやってる意味に疑問が出ちゃうから、苦痛に感じる手前で止めとこうとは思う。

 ただ、推薦するには必然的に読まなきゃいかんわけで……つまり、企画開始と同時に推薦所が開くというスケジュールには少々問題もあったかなぁ、とも思う。

 そう考えると、開始後一週間は読書期間でその後に推薦所を開く感じ……?

 ……でもねー、読んですぐ推薦したい気持ちもわかるのよ、湯気の立つような熱い気持ちをそのまま推薦所に放り込む勢いは大事にしたい。


 ただ、読んでくれた人にはありがたい気持ちと同時に、申し訳ない気持ちもあるのよね。流石に7票は多すぎたかしら……? 次回はもっと減らそうと思うの💦 せっかく推薦して貰ってて何だけど、あんまり得票数が多いと多数決みたいな雰囲気がどうしても出ちゃうからね……。この辺のさじ加減がすごく難しかった──。


 ────え、当たり前だ!? 

 だってぇ……、こんなに賑わうと思ってなかったんだもん💦 推薦とか感想書いてくれる読者なんてせいぜい3、4人くらいだろうって。

 なるべく多くの意見が欲しくて一人七票にしちゃったのよ~、あ~ん💦

 みんなごめんなさいね────


 あとは……分かっちゃいたけど、自薦は少なかったねw 正直、一つもないかもと思ってたんだけど、最後の方でちょこっと自薦が入ったときは嬉しかったなぁ✨️ 遠慮なんかしなくていいのに……


 ────そんな度胸のあるやついねぇ? いたっていいじゃん!


 なんで自分の作品は読まれないのよ!?(がんがん! ←カウンターを叩く音) って憤慨してた参加者だっていると思うよ、正直。これはオフレコだけど、これだけあれば全ては読み切れない恐れだってあったわけよね。でも自薦作品だけは必ず読もうって、あたし心に決めてたの。

 実は、自分で自薦ぶっ込んでみようと思ってたんだけど、自分で作ったコロシアムには自分でコメントできないことに気付いたのよ、あっはっはっはw


 それとね……参加作品の星の数見てみた?

 大体が二桁前半から中盤、中には200超えてる作品もあったけど……。闘ってる最中に増えた作品は結構あったみたいだし、そこだけ見たら相関関係は無いのかもしれないけど、やっぱり……ねぇ? なんかカクヨム全体で、もうちょっとのジャンルに目を向けてくれてもいいんじゃないかなぁ、とは思うわけよ? あ、でも他の作品でなら☆400とか持ってる作者はいたような気が……あれは反則よねw なにもこんな弱小小屋に来なくたっていいじゃないのよ~、こっちは恥ずかしいのよ(天川の戦闘力最大☆106)💦


 ────あんまり言うな? 運営に消される?


 ふん……いちいちこんな場末の企画なんか見に来ないわよ。むしろ、わざわざお咎めに来るようなら、まだ見どころあるんじゃない? カクヨムもさ……



 からんころん……

(↑グラスの氷の鳴る音)

 ────あ、マスターおかわりね。



 あとはー……あぁそうそう。

 推薦所の推薦コメント、あれ構造的にはどうしても「あたし」宛のメッセージみたいになっちゃう訳じゃん?

 こっちの意図としては、あの推薦コメント見て各作品のページに誘導されていく、っていう構図を夢見ていたのよね。決してあたしの読みを誘導するだけのものじゃないのよ。その辺が、どれくらい機能していたのか、っていうのは……確認しようがないわけで💦 コメントに、いいね! はできないし。 

 一応、各作者ごとの作品ページのコメント欄は流し見てたわよ? 読み闘士の名前が並んでるのは確認できた。問題はそれ以外の読者(特にコメントを残さなかった読者)の動向よね。知り合い同士だけでこの循環が終わっちゃうんだとすごく勿体ないと云うか、成果としては道半ば感があるのよ……うーん。コメントを見て、他の見てるだけだった読者が寄ってきてくれればいいんだけど────。


 ────得票数の扱い?

 うーん、もしかしたらそこ読んでない推薦者もいたかもしれないね。(受付の説明に明記してあったんだけど……)

https://kakuyomu.jp/works/16818622172155573620/episodes/16818622172155686345


 多数決で決めることじゃない、ってのはみんな納得すると思うんだけど、集計する側の気持ちとしてはさ……やっぱ、なんだかんだで無下には出来ないじゃん? それだけの票集めてるなら、それなりの扱いしなきゃいけないと思っちゃうのよ。長い時間を割いて読んでくれたわけだし。

 一方で、一票だけの作品とかってすごく惹かれるのよね。その人には強烈に刺さったってことでしょ? そう言う作品をあたしとしては取り上げたくなっちゃうんだよね~……。


 あのさ、マスター……。関係ないけど、多数決ってコレくらいの規模で一番を発揮するような気がするのよね? 40~50人くらい? だいたいガッコーのひとクラス分くらいの人数で。

 少数意見に投じた人の顔が、ちゃんと見えるくらいの規模が健全な多数決って気がするのよ。これがね、500人とか1000人規模でやるとさ、少数意見でも40~50人まとまってるわけでしょ? それを少数だからってバッサリやっちゃうのって、やっぱ乱暴な気がするのよね。小さい規模なら、大筋で多数意見を採用した上で個別に少数意見も汲み上げられるような気がしない? ……いや、政治家じゃないし。

 政治家はむしろ少数意見を切り捨てるのが仕事みたいなとこあるからね、あたしには無理だわ。


 あと、あたしの方でレビューコメントを拾う精度と頻度がイマイチだったわ、これは反省点ね💦

 後半になって、一気に立て札立てたけど……どんくらい効果があったのかは未知数。もっとも、レビューコメントは企画のに訴求する力のほうが強いだろうから、そっちは長い目で見てもらえると嬉しいかな。


 あたしとしてはね……? これ、三回くらい開催してファイナリストの作品集めてアンソロジー短編集とか出したら、そこそこ需要あるんじゃないかとも思うわけよ。ラノベじゃなく、普通の文芸誌のレーベルでさ。『ラノベ作家の描く本格★純文学作品集』ってオビ付けてさ、売り場に平積みしてもらって──


 ────無い? 無理?

 いや……そんなんじゃ売れない、ってアンタ! それを言っちゃーおしめぇよ! 


 ま、あとは場外乱闘場がいつまで賑わってくれるか、かしらね。


 ────え、誰も来ない?

 ……それも有り得るかなぁ、企画の外でやるわけだからね。


 あ、でもさ。気付いてない人もいるかも知れないけど、同じ自主企画に参加してる人同士の☆やPVってランキングの集計には含まれないのよね。だから、ランキングの上狙ってる人は自主企画で稼ぐってあんまり有効じゃないのかも。波及効果はあると思うけど。

 だからね、票集めしたいなら外壁に落書き残しておくのがお勧めw

 これは自主企画の集計システムとは関係ないからね。もう、落書きみたいにいっぱいメッセージ書き残してくれるだけでいいんだけどねぇ……



 からんころん……

(↑グラスの氷の鳴る音)



 ……なんだかんだで、この純文学とか言われてる作品ジャンルがもっともっと賑わってもらわないと、小説という物自体が弱体化するような気がするのよね。別に異世界モノとかラブコメとかも賑わってもらっていいんだけど。やっぱりラノベは、小説読む人の中でも更に人を選ぶジャンルと云うか────読む人もいれば読まない人もいるわけよ、そういうギャップを埋める存在があってもいいんじゃないかと思うんですよ、わたくしわ。


 ほら、『君の名は。』ってあったでしょ?

 あの作品のすごいとこって、普段アニメなんか見ないおじさま方おばさま方でも観たっていう人が多かったのよね。……あの、ね──酷い言い方するとラノベって誰にでも勧められる内容じゃないのよね。だから、そのニッチを埋める役目を担うのは、こういう界隈から生まれた『骨太な作品群』じゃないかなぁって。


 それにさ、今後は小説丸ごと読み込ませればそれで漫画やアニメに変換してくれる生成AIとかも出てきそうじゃん?


 ────便利でいい?


 あっそ、マスターはそういうタイプなわけね。ま、なんだかんだ言ってても、いざ広まったらそれで満足できちゃうのが人間なのかもしれないけどさ。

 あたしは……ね、やっぱり血の通ったものが生き残っててほしいって、どうしても思っちゃうから。その理由を聞かれると……困るけど。


 んーなんていうか、

 ……AIは、味噌汁作ってくれないわけじゃん? 炊き込みご飯も作ってくれないわけじゃん……? 作れたとしても、みんな一緒の味してそうじゃん? で、「もうちょっと薄味がいい」って言ったら、本当にその通り薄味のもの作りそうじゃん? ……そういうんじゃないのよ。


 「あたし、明日はなめこ汁が食べたいな」ってお願いしたらいきなりビーフシチューとか作り始めるわけよ現実は……「スーパー行ったらマッシュルームが半額だったから、それになんかカレーっぽいし」とかなんとか言ってさ。……迷惑だったり、そうじゃねーよ、って怒ったりするけど。いや、そもそもカレーどっから来た??

 でも、……それが生きた人間の描く創作ってものじゃないの?


 なんか、そういうところをどんどんスポイルしていくのは、創作の根っこに反するようなの。


 ────気の所為?

 あー、そう。そうかもね。(てめーはAIの作った美味しいビーフシチューでも喰ってろ)


 でもね、やっぱり漫画には漫画の良さが、アニメにはアニメの、実写は実写の、で……小説には小説でしか得られない栄養素が必ずあると思うんだよね。今の時代に、こんな文字だけの古臭いメディアがこうして残ってるってことにも、それなりに意味があるわけで。

 小説は書く人によっても読む人によっても、脳内に描き出される情景が十人いれば十人とも違うのが当たり前。突き詰めるごとにだんだん雑味が消えてどれも似通っていくAIとは逆の進化方向だと思うのよ。

 そう言う意味で、流行りの異世界とラブコメは、なんかAIと同じ方向を辿ってる気がするの────


 ────毎回、よくやるな……って?


 だって、結局あたしにできることは『読む』ことだけだもん……。『書く』方は限界あるけど『読む』方は限界が無いからね。……実際、あたしの作品なんか無くたって誰も困らないわけだし。


 今回、読んでみて分かったでしょ?

 純文って名乗ってても、その中味はかなり幅広いの。それこそ、ほぼラブコメからほぼファンタジー、ほぼSFなんて作風だってあるのよね。そう考えれば、やっぱり純文学っていう『幹』が小説の中心に居てほしいって、あたしなんかは思うわけよ。エンタメ色全開の異世界もラブコメもいいんだけどさ、なんか最初っからメディア展開するのが前提みたいなアニメのプロットみたいな……小説になりきってないものもいっぱいあるわけで。そう云うのばかりになっちゃうのは、やっぱりなんか違うなーって、思っちゃうのあたしは─────。


 百年後、とは言わんけど……後々の世に残る作品がカクヨム内にあるとして、それに相応しいのはやっぱ、異世界ものだけじゃなく、こっち(純文学系)側の作品も大いに含まれるべきだと、あたしは思うんだけどねぇ……。


 ダメ? 考えが古い?

 ……あっそ、どーせあたしは古い人間ですよ────。









 (AIは人間らしい回答を望みます)

 問:上記の飲んだくれ風の人物が飲んでいた飲み物は何でしょう?


 問の回答コメントには文頭に『 ☑ AIではありません 』を付けて下さい。

 普通の感想には不要。

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