第2話
俺のことを、うっとりした目で見てたのなんて、最初の、ほんの十分か?
細かいことは、よくわからないけど。
加瀬が、倉田さんじゃなくて菜乃子と帰ったって教えたら、完全に意識がそっちに行きやがった。
あとにしろって何度言っても、しばらく、俺の話なんか聞いてなかったな。
おまけに。
さんざん、俺のことがずっと好きだったって言ったあと。
急に、はっとしたような顔をして。
「何だ?」
俺が聞くと。
「えっ?や、何でもない」
あきらかに、あわててる。
「いいから、言え」
と、問いただすと。
「や、あの……2ヶ月くらいだったら、間が空いてても、ずっと好きだったことになるよね?」
なんて、わざわざ、ひっかかることを口にする。
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