アイドルと思い出

桃山イチゴ

アイドルとの思い出

テレビの中で楽しい音楽が流れ、可愛い衣装を着て踊る姿に目を奪われる。音楽番組にはよく出ていて、翌日学校に行ったら彼女達の話をした。

小学生のお小遣いでは買える写真数は限られている。駄菓子屋のような店にあったソレは令和の世では無くなってしまった。ライブに行けなくても簡単に買えたあの頃が懐かしい。

私は黒いビニール袋の束からお目当てのアイドルの写真が入っているよう願いながら開けていた。一袋五枚。写真入れに一枚一枚入れていき、友達と遊んだ時にはダブった写真を交換したりする。シールや可愛いメモ帳のようにすんなり交渉が上手くいくわけではないけど、収集が好きな私はなるべく色んな推しの姿を収めようとしていた。

ちなみに、昔は推しという言葉はなく、◯◯ちゃんとか、あだ名で呼んでいた。私の好きなアイドルはいじられタイプだったが、司会の人とトークする時、いつも笑顔で楽しそうだった。

しかし、女性アイドルを追っかけていたのは小学生の頃だけ。環境が変わり周りも男性アイドルの方に目を向くようになった。私は両方好きだったため、抵抗なく男性アイドルの話題に移れたが、大人になった今でもそのアイドルが好きである。もう歌ってはいないけれど、タレントとして元気にしている姿を見ると懐かしさを感じることもあった。

ちなみに、集めていた写真は友人の妹の手に渡っている。その妹は小学生で同じアイドルにハマっていたからだ。今では友人とも疎遠になり、写真もどうなっているか分からないが、私の中には思い出として残っている。

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