歪なその手が掴むもの 〜壊れた勇者と魔王の娘〜

咲良風鎮

プロローグ


あの日々のことを私は今でも時々思いだす。


それは私にとって、優しくて、悲しくて。そして苦しみと喜びの日々。

何も感じなかった私が、そんな当たり前をもらった日々。

何もかも上手く行ったりはしない。生きるっていう事はそんなに簡単な事じゃない。

私は私でいられることは、本当は当たり前じゃない。

それを教えてくれたあの人との記憶。


--これは、私と「お父さん」との記憶。

私が私になるための、旅の軌跡の物語だ。

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