【ジャンル不問】笑える執筆論、覚え書き(2025年版)

灰崎凛音

第1回:まずは自己紹介とか

 はいはいこんにちは、灰崎はいざき凛音りんねです。ようこそいらっしゃいました。今回は初回ということで、僕の筆歴や自己紹介(自主企画含む)を面白おかしく書いていければと思います。


 概要欄に書きましたが、再度。

 僕はいわゆる「公募勢」として2X年小説を書いてきました。いつから小説を書き始めたかというとこれが不明なんですが、小学校高学年では漫画や物語を描いていて、中学一年生の時に回し読みしていた原稿がまだ実家にあるので(恐怖!)、推定9歳が10歳です。


 でですね、ここで「僕は純文一筋です」とか言えればかっこいいのかもしれませんが、バッキャロウ! 俺がそんな一途な人間だと思うか! King Gnuの「一途」は大好きだけど!!


 要するに、面白そうだと思ったら何でも書いてましたね。

 具体的には、純文学・サスペンス・ミステリ(二度と書きたくない)・SF・転生とかしないファンタジー・学園モノ・変化球ホラー・ある種のローファン・ユーモア小説、詩、その他実験的な作品、あと数は少ないですが英語でもちらほらと。


 あ、あとこれは執筆論に通じるんですが、筆力アップに繋がる話があって、「文体・文章が好きだな〜と思った小説家と出会ったら真似をする」のって結構有効ですよ。持論というよりニューヨークの大学で教授が言ってたからガチです。

 僕は無意識でしたが、中一の時は赤川次郎、中二で菊地秀行と出会い性癖を大いに狂わされ(※エログロバイオレンス作家です)、中三からはガイブン(海外文学)ばかり読むようになったので、翻訳文体になったり、その後は「ニューヨーク移住計画」のため英語を勉強し始めたので日本語は文法以前の問題になりました。


 では「好きな作家は?」と問われると、コンマ0.004秒で、


「2008年にノーベル文学賞を受賞するまで日本ではほぼ無名だった俺の心の師匠、フランスが世界に誇るル・クレジオ大先生、フルネームはジャン・マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオと、ショートショートの天才だが寡黙な作家で、自ら志願して第一次世界大戦に行き命を落としたイギリスのサキことヘクター・ヒュー・マンロー!」


 と噛まずに言えることができます。

 クレジオ先生はどちらかというと初期作品が好きですね。僕は実存主義系・不条理系が好きなので、カミュ、カフカらへんが高校の時からツボだったんですが、18歳でクレジオ先生のデビュー作「調書」を読んだ時は、


「俺がこの18年間で読んできたものは何だったんだ?」


 と茫然自失状態で呟かざるを得ないレベルの衝撃を受けました。


 サキはご存知の方もいるかもしれませんね、数年前からやたら日本でも再評価されていて、妙ちくりんな和訳が出回っ——失敬、僕はちくま文庫から出ている「ザ・ベスト・オブ・サキ」を推します。


「おいおい、日本文学読んでねーのかよ灰崎ぃぃ」


 という皆さまの呪詛のような声援が聞こえましたのでお答えいたしますと、一番好きなのは、「生きていたらノーベル賞を受賞していた」と今でも言われる安部公房が一番好きかもしれません(※ノーベル賞は存命の人間にしか授与されません)。

「砂の女」が最も有名ですし、最近は「箱男」が実写映画化もされましたが、僕は「壁」が大好きです。「カンガルーノート」も捨てがたい。大体なんだよ主人公が朝起きたら足からすね毛じゃなくてかいわれ大根が生えてるとかいう設定カオスすぎだろ大好きだチキショー(愛)。


 現在進行形で活躍されている作家さんでしたら、彩瀬まるさんの筆致は冷徹なまでに鋭く、めっちゃ泣ける話書いたかと思えば、嗚呼もうあかん恐い恐い読みたくないみたいなダークな話も書けるというレンジの広さが大好きですし、芥川賞作家の絲山秋子先生には昔お世話になりましたが、一見ぶっきらぼうに見える文章で実は非常に繊細な表現を軽々と書けるところ、純文学の短編を得意とされていのに伊坂幸太郎もビックリの構造の連作短編も書けるプロット・メイキングの才など、尊敬しております。 



 では、以下は自己紹介企画にのっとって、質問に解答するという形で進めて行きたいと存じます。



 【自己紹介企画】自分にだけに通じる創作論15の質問

https://kakuyomu.jp/user_events/16818622171184038916


①自己紹介と好きなジャンル。

 個人的な自己紹介をいたしますと、岡山生まれチバラキ育ち、一瞬ニューヨークを経てチバラキに出戻り、現在は東京在住です。天から唯一授かった異能力「童顔」を卑劣に駆使して、年齢的には許されないゴスパン系の格好をしてますが、見た目が童顔なのでギリセーフです。

 好きなジャンルは、一般文芸の純文学とエンターテイメントですが、地雷が多いので購入の際は慎重になります。


②書くのが得意なジャンルは?

 僕自身は純文学のつもりで書いていても、大阪・神戸周辺育ちの親父からの遺伝か、芸人根性が捨てきれず、「おまえこれエンタメだぞ」と言われることが結構ありますねぇ。

 そもそも僕はこの「純文学」と「エンタメ」の二分化にfed upしている人間のひとりですが、おっと、英語のスラングが出てしまいました、ググってください、僕は両極端を書きたいと思っており、現在は純文学寄りのものを書いています。


③逆に苦手なジャンルは?

 ミステリですね。一度長篇ミステリを書いて、当時ミステリが主流だった頃のメフィスト賞に応募したところ座談会(あれって最終選考なの?)に取り上げられメッタ斬りにされましたが、その分直すべき箇所が分かり、リベンジ作(原稿用紙約450枚)を応募したらよもやの一行斬りで落涙。嘘です、涙も出んほど凹みました。

 その時、「ああ、俺はトリックとかより『人間』が書きたいんだな」と悟りまして、以降は純文にシフトしていきました。


④文章・構成・展開・描写・人物・etc……どの要素が1番得意? もしくは自分の持ってる才能を教えて。

 筆歴が長いので文体のバリエーションは多いつもりですし、構成や展開、人物造形などの設定は「事前案」として、もしくは「設定厨」レベルで考えるのが好きなので、得意かは分かりませんがしっかりかっちりちゃっかり準備しますね。

 自分の持ってる才能ですか。才能じゃないけど英語話者(ノン・ネイティブだよ)なので、頑張ればバイリンガル小説が書けます。仲間内で回し読みしたことが一度だけありますね。究極の夢は英語で長編小説を書くことです。


⑤得意な作品構成は1話完結・短編(1万文字前後)・中編(10万文字未満)・長編(15万文字未満)・大長編(15万以上)?

 中長篇ですね。原稿用紙で言うところの100−300枚がちょうど良いです。


⑥いつもどんな小説の実戦や勉強をして作家レベルを上げてる?

 写経してます。手書きでの書き写しですね。

 特に文体が難解で黒魔術的な上記ル・クレジオ大先生の未読本は、眼で追うだけでは理解不能な箇所があるので、書き写して理解しながら読み進めることが多いです。

 あとは読むしかないじゃないでしょうか。プロの、商業出版作品を。まあ僕の場合はガイブンが主ですが、いい加減英米文学を原書で読めと自分でも思います(ヨーロッパの文学が好きなので、英語で読了したことのある作品が一作しかないというテイタラク)。


⑦キャラクター・設定・シナリオ・文章表現・etc・何を重視して小説を書いてる?

 当たり前のことですが、全部です。

 あえて付け加えるのであれば、読後感、必要であればメッセージ性、そしてそれが押しつけがましくならないように書くことです。

 

⑧自分の作品の面白さって説明出来る?

 ん〜、自分はあんまり日本人の大多数とは異なる人生を送ってきたので、それを書いて「こんな奴もおるで」という存在表明ができるのはある意味強みだと思ってます。

 あとは幾つかのジャンルに沼っているので、オタクとして付け焼き刃ではない知識を持って描けるかと。


⑨自分の改善したい問題点、課題は?

 はっきり申し上げます。


「普通の日本人」が、書けねー(真顔)。


 そもそも僕は、リアルでもネットでも「日本人らしくない」と言われ続けているのです。アメリカナイズドされとりしますし、今でも英語圏に友人が多いです。日本の大学に行ったこともなければバイト以外ではいわゆる「社会人経験」もほぼないです。

 これに関しましては、もう、


——知るかぁぁぁああ!!! 俺は俺の知ってる人間を書く!!!!


 と開き直ることに二日ほど前に成功したので、実行します。

 あ、でも「大多数の日本人」が知らない・使わない英単語をポロッと本文に入れてしまうことがあるので、そこは書き手仲間に読んでもらってチェックしてもらってます。


⑩自分のシナリオは「起承転結」どこが面白くなる?

 僕は「起承転結」ではなくシド・フィールドが提唱した「三幕構成」が(純文学でも)性に合うので、大抵それでいつもプロットを立てるのですが、長篇の多重構造モノを書いた時は、よく読者さんに「無関係に見えていた別パートが最後に全部繋がるところが凄い」と言われるので、「結」ですかね。


⑪ハッピーエンド派? バッドエンド派?

 作品によりますが、「メリバ」ならぬ「バメリ」派です。


⑫プロット書く派? 書かない派?

 書きます。なんなら細かいタイムラインや、最近見つけたMacOSとiOSの「Story Cards」という超絶便利アプリでシーン毎に決めます。


⑬どれぐらい自分の作品に自信がある?

(★やPV数による客観的視点でも良いし、根拠の無い自信からでも良い。どれだけ自分の作品に自信を持っているか)

 自信が皆無であれば、公開するのは読み手に失礼だと僕は思います。

 僕の作品は★や❤︎も少ないですが、昔別名義でライト文芸に寄せて書いた際そこそこの評価を得られたので、ジャンルとPRの問題だと捕らえています。


⑭昨今精度を上げてきているAI小説を自分は超えられると思う? それとも相手にしていない?

 相手にしていないというか、別物だと考えております。


⑮最後に今読んで欲しい作品、評価して欲しい作品を教えて。面白そうだと思うようにPR(レビュー風に)宣伝して。(複数でも可)

 ええと、残念ながらカクヨムにはまだ僕の本領発揮作品をアップできていません。

 今書いている10000字弱のものが、実体験を基にしてリーダビリティをガン上げしたもの、そしてその次(推定25000−30000字)が容赦なく本領発揮したものになる予定です。


 ですので、以下。


「おっさんJC、今日も今日とてくだを巻く」

https://kakuyomu.jp/works/16818622170588152044/episodes/16818622170762969015


 見た目はJC、中身はおっさん!(転移とかじゃなくて)

『留学』という行為が『塾に行く』、『ピアノを習う』と同レベルに浸透している近未来日本。

 篠崎しのざきりりは、日本生まれニューヨーク育ちの帰国子女で現在中学二年生の女子。

 だがー、彼女の脳内は四六時中50代のおっさんのような調子でぶつくさと様々な事象にくだを巻いている。一人称は「俺」だったりするし、自分でも「混み合った電車内で夕刊フジをでっかく広げて加齢臭を撒き散らかしながら『やっべーチンポジ直してぇ』とか思ってるおっさんと同類」と自覚している。

 学校にも家にも居場所がないりりは、果たしてリアルライフで素の自分をさらけ出せる相手に出会えるのか?

(という中篇への導入短篇)


 

 以上です。

 初回から長くなってしまいマジめんご!

 次は何を語りましょうかね? 俺が小説の師匠に教わったこととかな? では、どろん。

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