第12話
「……五億出すってか?」
「それはあなたが確認して」
「は?お前の口座だろ?」
「あそこの引き出しに、カードと通帳と印鑑が入ってる。暗証番号を書いたメモもあるから」
「……おい、お前…」
「もし振り込まれなくても、その口座に入ってるお金は全部あげるわ。神田から嫌味のように毎月振り込まれていたお金、一切手を付けてないから」
「…なんで…」
「それで会社をやり直すなり、可愛い元従業員に渡すなり好きにして。わたしには、あの子さえいればいいから」
「お前、まさか最初から…」
「こんな馬鹿げた茶番に付き合ってくれたお礼よ。わたしに妹なんていないこと、とっくに気づいてたでしょ?」
「……」
「神田は会社の為に警察沙汰にはしないはずだから、今すぐそれを持って逃げな。もうじき来るだろうから」
「……」
「最後に二人で話させてよ。時間がないの」
「……」
「早く!!」
「─ちっ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます