まだ、幼い。

「龍成さんは本当に筋がいいですね。飲み込みも早いので教えていて楽しいですわ」

「はじめは奥様も心配されていらっしゃいましたが、その様子でしたら大丈夫そうですね」

「全くですよ。花も喜んでいますわ。このままお続けになってくだされば将来有望なのですがね」

「それは奥様がなんと仰るか……。習い事はこちらだけではございませんので」

「存じておりますがね、ここまでお上手だともっと力を入れてほしいと思ってしまいますのが本音でして」

「まぁ。そんな風に仰られたら私まで嬉しくなってしまいますわ。ただの家政婦なのに。ふふ」

「ちなみにこの才能はお母様譲りですか？それとも…」

「お母様譲りかはわかりませんね。実の母親はどこにいるかも定かではございませんので…」

「じつのははおやって、なに？」

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