第33話

思考がうまく定まっていない中、紗耶香に手を引かれ覚束ない足を動かす。



先輩と会って安心できたはずなのに、間もないうちにまたこんなにも不安な気持ちになるなんて。



……怖い。



目にするのが、怖くてたまらない…!!



「あ!あれじゃない?」


「──っ!」



胸がドクンと大きく揺れる。



先輩の教室に到着し、紗耶香が廊下から室内を指さした。



思わず、ぱっと顔を下げてしまう。



見つけるの、早すぎだよ…。



「ていうか、あれって…。中、入ろう!」


「…紗耶香、わたし無…」



「マジでいい気になってんじゃねーよ柏崎!何度も言うが、女子は皆あたしのもんだ!」



……ん?



わたしを完全無視し、教室の扉を開けた紗耶香。


中から飛び出た女の人の大声に、思わず目を向けた。




「だから何度も言うけど勝手にしろよ。俺には関係ない」




あれは、先輩……と、めちゃくちゃ綺麗な女子が言い合ってるように見えるのだけれど。



なんか穏やかな空気じゃないような…。



にしても美人さんだな!タカラジェンヌ系!



長身で足長で中性的な小顔だから、ショートカットとミニスカートがすごく似合ってる。


女のわたしでも惚れ惚れしちゃう。



ま、まさか、この人が…!!

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