メモリー・メモリ

白湯水

プロローグ

ここはすべての記憶を保管できる世界。

「メモリー・メモリ」を使えばいつでも記憶を保管できて、どこでも記憶を思い出すことができちゃいます。


え?そんなことしたらいやな記憶も永久的に残っちゃうって?

忘れたいことがあったらPCと接続してその部分だけゴミ箱にぽいっですよぽいっ。

そうすれば記憶なんて簡単に消せますし問題ナッシングーです。


私の名前はミミ(♀)。年齢はえーっと確か22歳の誕生日を保管したメモリー・メモリがたしかこの辺に……って今はそんなことどうでもいいか!


えーっと他には、あ!そうだ!私「リ・メモリ」っていうお店で働いてるんだけど

全くもって安直だよね~この名前ww


店長のセラテナさん(♂)が名付けたんだけど記憶を保管したメモリー・メモリを直すのが仕事。

あ、言っとくけど私は直せないからね?

あんなこまごまとした機械分解して~なんか電気バチバチってして~トンテンカンテン、とかもう私じゃ無理無理ww

ハンマーでぶん殴っておじゃんだよお・じゃ・ん♡

そんなことしたら記憶改ざんの疑いで逮捕だよ~あーおそろし。


じゃあなんで働いてるんだって?

たしかに私はメモリー・メモリを直せないかもだけど消去なら簡単にできるからね。


たまにいるんだよ~PC家になかったり使えないからお願いしてくるお客さんが。

だから私がセラさんの代わりにちょちょい~ってやってあげるわけ。


別に簡単ならてんちょーがやればいいじゃんって??

そんなことしたら私の存在価値がなくなっちゃうじゃん!!

セラさんが主人公のお話になっちゃうじゃん!!いいの?


たしかに顔も良くて、細かい作業もできて、お客さんへの対応も完璧で、私にもめっちゃ優しくて、25歳のくせに妙にダンディーで……

う~ん……見たい、かも。


じゃなーーーーーーーーーーい!!!!

やーだーよーみんなのメモリー・メモリから私の存在がない世界線なんて!!

そ・れ・に!セラさんに記憶の削除なんてしてる時間なんてないんだからね。

めちゃくちゃ忙しそうなんだから毎日。


朝はめっっっちゃいい匂いのコーヒー飲んで、昼はお客さんが来るまでカウンターで本を読んでて、夜中は倉庫整理とかいろいろしてるんだから。んね?めっちゃ忙しそうでしょ?


……ともかく!これは私が主人公のお話なのいいね?!

わかったならぶつくさ言わない、ってそこぉ!何をまだ文句を言ってるの!


おめーのこととかどうでもいいから早く本編はじめろだぁ?!

んじゃもうプロローグ終わり!本編どうぞ!


あーつらたん、後でこの記憶消しとこ。

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