🚨注意🚨当作品はAI執筆かつ無修正出力です。人によってはマズイ表現があるかもしれません。ご了承の上お楽しみください🙇 本編↓

じめじめとした空気が肌にまとわりつく。

洞窟特有のカビ臭さと、モンスターの残したであろう微かな腐臭が混じり合って、鼻の奥を不快に刺激する。

俺、アルヴィンは、パーティー「紅蓮の剣」の最後尾で、重たい荷物を背負いながら慎重に足を運んでいた。

（またこのパターンか……）

前方を歩くリーダーのガイオンが、大剣を振り回してゴブリンの首を薙ぎ払うのが見える。

火花のような赤い剣閃。さすがは『赤き剣聖』なんて呼ばれるだけあって、その腕は確かだ。

隣では、魔法使いのセラが派手な火球を放ち、逃げ惑うゴブリンを焼き払っている。

「ハッ！ 雑魚が、この俺の敵じゃないぜ！」

ガイオンが高らかに笑う。

相変わらず自信満々だ。まあ、強いのは事実だし、リーダーとしての威厳……なのかもしれない。

「ガイオン様、さすがですわ！ セラ、見惚れてしまいました！」

セラの媚びた声が洞窟に響く。

その声色だけで、彼女がどんな表情でガイオンを見上げているか、想像がついてしまう。

（俺には絶対向けられない笑顔、なんだろうな）

俺の役割は、ただ一つ。

戦闘で手に入れたドロップアイテムや、メンバーが脱ぎ捨てた予備の装備、大量のポーションや食料を、俺の『収納』スキルで保管し、運ぶこと。

いわゆる、荷物持ちだ。

『収納』スキル。

神様から授かったスキルがこれだけだった俺は、冒険者としては完全に落ちこぼれ。

戦闘能力は皆無。パーティーに貢献できることといえば、この荷物運びくらい。

だから、こんな扱いを受けるのも仕方ないのかもしれない……。

「おい、アルヴィン！ ぼさっと突っ立ってないで、さっさとそこの魔石を拾え！ まったく、トロいんだから！」

ガイオンの怒鳴り声が飛んできた。

ビクッとして、俺は慌てて駆け寄る。

ガイオンが倒したゴブリンメイジの残骸のそばに、鈍い光を放つ小さな魔石が転がっていた。

「は、はい！ すみません！」

震える手で魔石を拾い上げ、意識を集中する。

『収納』。

感覚としては、目の前に見えない箱が現れて、そこに物を放り込む感じだ。

魔石はすっと消え、俺の中に「収納された」という感覚だけが残る。

容量は……正直、よくわからない。今まで、いっぱいになったことがないからだ。

でも、そんなこと、誰も気にも留めない。

「チッ、本当に役立たずだな。魔石一つ拾うのも遅い」

セラが、わざと聞こえるように舌打ちをした。

綺麗な顔立ちをしているのに、その表情はいつも俺に対してだけ歪んでいる。

（分かってるよ……俺が役立たずだってことくらい）

ぐっと唇を噛む。

言い返したい気持ちがないわけじゃない。

でも、言い返したところで何が変わる？

余計に彼らの機嫌を損ねるだけだ。

俺はこのパーティーにいさせてもらっているだけで、ありがたいと思わなければいけない立場なんだから。

「アルヴィン、ポーションだ。MPが減った」

ガイオンが背中を向けたまま、手を差し出す。

「はい、どうぞ」

俺は『収納』から回復ポーション（小）を取り出し、彼に手渡す。

これも俺の仕事だ。戦闘中、メンバーが必要なアイテムを即座に取り出して渡す。

まあ、便利屋だな。

（でも、この『収納』スキルだって、少しは役に立ってるはずなんだ）

普通なら、こんな大量の荷物、何人ものポーターを雇わないと運べない。

それを俺一人でこなしてるんだ。

それに、取り出すのだって、慣れれば一瞬だ。戦闘の流れを止めないように、いつも気を配っている。

（なのに、どうして……）

どうして、感謝の一言もないんだろう。

どうして、いつも見下されなきゃいけないんだろう。

そんな考えが頭をよぎるたび、胸の奥がズキリと痛む。

（いや、考えるな。俺は荷物持ち。それ以上でもそれ以下でもないんだ）

自分に言い聞かせる。

期待するから、辛くなるんだ。

諦めてしまえば、少しは楽になれるはずだ。

そう、いつものように……。

「よし、今日の探索はここまでだな。アルヴィン、さっさと帰りの荷物をまとめろ。他の奴らは休憩だ」

ガイオンが一方的に指示を出す。

他のメンバーは、待ってましたとばかりにその場に座り込み、水筒を取り出す。

俺だけが、散らかったドロップ品や、彼らが脱ぎ捨てた汚れたマントなんかを集めて、『収納』に放り込んでいく。

汗と泥と、血の匂い。

それが、今の俺の立ち位置を象徴しているようだった。

（早く、このダンジョンから出たい……）

薄暗い洞窟の中で、俺はただ黙々と手を動かし続けた。

パーティーメンバーの楽しそうな雑談を遠くに聞きながら。

まるで、自分だけが違う世界の住人であるかのように感じながら。