さよならの手紙

　太田くんへ

　太田くん、この前話した通り、わたし引っ越すことになっちゃったんだ。それも急に。

親が転勤ばかりでさ、太田くんともせっかく親しくなれたのに、一年余りでまたバイバイすることになっちゃったよ。

　わたし分かってる。わたし、ぜんぜんカワイくないしさ、どっちかというとブスなの、わたし自分で分かってる。これ、すごいコンプレックスなんだ。

　だから太田くんとどこまでいっても、彼女になんかしてもらえないの、分かってるんだよ。

　だけどわたし、一年の終わりに転校してきた時、みんなから仲間外れにされて、なかなか中に入れてもらえなかったのに、太田くんだけはわたしに親切にしてくれて、あんときは、本当にうれしくて、家に帰ってビービー泣いたよ。ほんとにありがとう。

　こういうのも変だけど，あれからわたし、本当に太田くんのことが好きになっちゃって……。

　だけどもうすぐお別れだね。北九州市って、どんなところだろう。またなじめるかな、クラスとかに。

　この学校にはもう一生来ることはないかもしれない、たぶん。わたしこうして転校が多くてさ，いつも仲良くなった頃、バイバイするんだ。だから友達なんて、いないんだよ。

　来年はお互い大学受験だね。これからどんな人生を歩んでいくのか分からないし、彼氏とかもできるのか分からないけど、わたし、一生太田くんのこと、忘れないと思う。ホント、心から好きなんだ、太田くんのこと。

　優しくしてくれて、ありがとうね。

　太田くん、元気でね。感謝してるからね。

　ほんと、一生忘れないから。

　また会おうね。きっといつか、会おうね。

　またね、大好き。太田くん。

　さようなら。

　　　　　　　　　　　　あゆみより♡