第15話

拓海はフッと笑って、でも少し切ない表情を見せた。




「しょうがねんじゃね?


そういう時だったんだって。


可奈に彼氏ができて、俺に彼女ができて、それでも俺たちがいつも一緒にいるって、やっぱありえねーだろ」




「えっ、拓海、彼女できたのっ?」




「たとえば、の話だよ」







拓海に彼女か……。




考えたこともなかったけど、拓海は昔からもてたから、いつ彼女ができたっておかしくないのに。







「正月は?先輩と行くのか、初詣」




「うん……」




「そっか、ちゃんとやれてるじゃん、彼女。


可奈にしては上出来。


がんばれよ」




そう言って、ブランコを降りた拓海はあたしに背を向けた。

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