感じる距離
第13話
年末、家からほど近い本屋さんで立ち読みをしていた時のこと、
「可奈?」
後ろから、拓海の声がしたんだ。
もう学校でも、あいさつくらいしか交わさなくなってしまっていたあたし達。
話をするのは久しぶり。
近くの公園に行って、寒いからってブランコに乗った。
「なんか懐かしいね、ブランコ」
「昔どっちが高くこげるか競争したよな」
「いっつもあたしの勝ちだったけどねっ」
「嘘つくな、俺だっつの」
きーきーと揺れ続けるブランコが、少しだけあたし達の距離を縮めてくれているような気がした。
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