第17話

「俺さ…別れてから、お前が大事だって気づいた。


あの頃友達と遊んだり…バイトに夢中で、お前を大切にしてなかった。


本当バカだったと思ったよ。ガキだった」



ウソ…。



「でも、お前はふっきったような顔でいたし、もう遅いって諦めようとした」



頑張って大人になろうとしていたあの頃、雄斗もそんなふうに思ってくれていたなんて。



「でも忘れられなくて。お前の居心地の良さに甘えてしまった」



「私、都合のいい女じゃなかったの?」



「違うだろ。里沙だから、抱きたかったんだけど?」



さっきとは明らかに違う涙が溢れる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る