パート7: 新装備装着と自己評価
「ただいま…っと」
俺は興奮冷めやらぬまま、宿の自室に戻ってきた。
ベッドの上に、買ってきたばかりの防具の包みをドサリと置く。
(ふふ…早く着てみたい!)
まずは、今まで着ていた硬化レザーアーマーと、古くなった木製のラウンドシールドを外す。
そして、新しい装備を一つずつ身に着けていく。
(まずはチェストプレートだな)
革鎧の上から、鍛造された鋼鉄製の胸当てを装着する。
革紐でしっかりと体に固定すると、胸回りががっしりと守られている感覚がある。
(次はショルダーガード)
同じく鋼鉄製の肩当てを左右の肩に装着し、ベルトで固定。
肩周りが少し動かしにくくなるかと思ったけど、意外とスムーズに腕は動かせる。
(そして、カイトシールド!)
最後に、新しい金属製のカイトシールドを左腕に通す。
木製シールドとは違う、ひんやりとした金属の感触と確かな重み。
縦に長い形状が、腕から太ももの辺りまでしっかりとカバーしてくれている。
(よし、装着完了!)
俺は部屋の隅に立てかけてあった姿見(安物だけど、全身が映るだけマシだ)の前に立ってみた。
(おお……!)
鏡に映る自分の姿を見て、俺は思わず声を上げそうになった。
みすぼらしい革鎧だけだった以前とは、まるで別人だ。
胸と肩を覆う鈍色の金属プレート、左腕に構えた頑丈そうなカイトシールド。
腰には新しい相棒『ナイトソード』。
(なんか…すごく、強そうに見えるじゃないか!)
ただ装備を変えただけなのに、なんだか自分自身が一回りも二回りも強くなったような気がする。
これなら、Dランク探索者と言っても、誰も疑わないだろう。いや、もしかしたらCランクくらいに見えるかもしれない?
(見た目だけじゃなくて、実際に動いてみないと)
俺は部屋の中で軽くステップを踏んだり、腕を回したりしてみる。
(うん、やっぱり少し重いな。特に上半身)
チェストプレートとショルダーガードの重みがずしりとかかる。
でも、敏捷を上げたおかげか、思ったより動きは阻害されない。
これなら、今までのスピードをそこまで殺さずに戦えそうだ。
(盾の取り回しは…)
カイトシールドを構え、振ってみる。
ラウンドシールドよりは大きいけど、重さはそこまで気にならない。
これなら【シールドバッシュ】も問題なく繰り出せるだろう。
最後に、腰の『ナイトソード』を抜き放ち、盾と共に構えてみる。
右手に輝く銀色の剣、左手に堅牢な鋼の盾。
(攻防一体…!)
今の俺なら、どんな敵が来ても、簡単にはやられない。
新しい剣で敵を切り裂き、新しい盾で攻撃を防ぐ。
そして、【パリィ】と【シールドバッシュ】で隙を作り出す。
(完璧じゃないか…!)
想像するだけで、体がうずうずしてくる。
早くこの新しい装備で、実戦に出てみたい!
俺は鏡に映る自分の姿に改めて満足し、次なる依頼への意欲をさらに燃え上がらせていた。
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