第一章
帰郷
第1話
「宇佐、兵を引かせてくれ」
倭の国の将軍である
「宜しいのですか?」
宇佐は少し皮肉っぽく笑って言った。
「このような事……何時まで続けてもらちがあくまい。これ以上国費を無駄に費する訳にはいかぬ、向うが呼戻す気が無いのならこちらから引き揚げるしかなかろう」
「しかし、真の目的である
「何とでも。第一、顔も分らぬ者をどうして捕えることが出来よう、祥貴志の事は私を帝から引離す口実にすぎぬ、
阿修麗は溜息を吐くように静かに言った。
「今や宰相であらせられる朱賢殿の意の儘にならぬものと言えば
「帝は聡明な御方、そうそう朱賢殿の意の儘にはなられはすまい」
「そうではございましょうが……では早々に都へ使いを出しましょう」
宇佐は少し思慮をして答えた。
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