第13話
「小日向 健介 だな?」
あくる日の昼休み、何時ものように弁当を持って裏の林に向かおうとしていた健介に威圧的な声を掛けたのは、九条の側近の鬼頭 魁だった。
「ぁ、はい。」
「九条様がお呼びだ、付いて来い。」
「え、でも僕はこれから……」
健介が躊躇すると鬼頭がまた感情の無い声で「これは命令だ。」と言った。
その途端、健介はムッとして鬼頭を睨み付けた。
感情がモロに顔に出ている。
というより、健介は態と露骨に嫌悪を顔に出したのだ。
しかし鬼頭は『そんな顔をしても無駄』とでも言うようにそれを無視して健介の腕を掴んで歩き出した。
「離して下さい!」
健介は足を踏張って鬼頭の腕を振り払うと、グッと睨み付けて
「逃げたりしませんから。」と、乱れた服を直した。
鬼頭は何も言わずに健介の顔をチラリと見ただけで歩き出した。
健介も腹立たしい思いをしながらも鬼頭の後に付いて歩き始めた。
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