第6話 トレーニングダンジョン 2

「リ、リザ……」


「お、死んだな」


 リザードマンを確認する。

 バチバチと燃えるリザードマンの身体は、不思議な変化を行った。突然、光の粒子と化したのだ。


 魔物は死ぬと光の粒子と化す。

 理論や理屈はわからないが、太古の昔からずっとそうだったのだ。


 と、そんな時だった。

 近くの地面がモコモコと、隆起したのだ。

 そして、次の瞬間──


「リザァアアアアア!!」


「リザァアアアアア!!」


「リザァアアアアア!!」


「リザァアアアアア!!」


「リザァアアアアア!!」


 続けざまに、今度は5匹のリザードマンが現れた。装備や容姿は先ほどのリザードマンと、全員が一緒だ。


「ちょうどいい。今度は氷系を試そう」


 迫りくる5匹のリザードマン。 

 俺はコイツらに、右手を向け──


「《上級の氷牢獄ブリザード・プリズン》」


 バキバキバキッと、巨大な氷塊がリザードマン達を氷漬けにする。冷気で地面や壁は凍ってしまい、見える範囲は全て凍ってしまった。


 当然、5匹のリザードマンは全て絶命。

 あまりにも呆気なく、全て終わった。


「氷魔法も難なく使える。魔法系のスキルは何の問題もないな」


 36歳の時と同じ使用感だ。

 つまり今の俺は、SS級の力を有していることになる。E級の杉本なんて、俺の足元にも届かない。


「それさえわかれば十分……というわけにもいかないんだよな」


 杉本と戦うのは、おそらく教室内になる。

 その為、あまり派手な魔法は使えない。


 炎魔法は熱感知器が発砲してしまい、氷魔法は教室中が凍ってしまう。学校の魔法感知器は壊れているから、そこに関しては心配無用だが。


 魔法スキルだけでは、杉本との戦いは難しい。近接戦闘も、視野に入れておかなければならない。


「とはいっても、単純な身体能力で十分ゴリ押しできるだろうけどな」


 俺の身体能力は、並外れている。

 魔法系の能力者であるが、A級の【肉体強化】系の能力者に匹敵するほどの身体能力を誇るのだ。握力も測定できないほどに強い。


 その理由は簡単で、軟弱な肉体ではスキルに耐えられないからだ。【氷炎の魔王レイス・ローア】の膨大な熱や冷気に耐えうるには、必然的に肉体を強くする必要があるのだ。


 もちろん、それは俺に限った話ではない。

 魔法系の能力者は、身体能力が強い。

 それは世間一般的な常識だ。


「まぁどちらにせよ、ボスを倒さなければ帰れないからな。もう1つのスキルの使用感も確かめたいし、さっさとダンジョンを攻略してしまおう」


 そう呟き、俺はさらなる深層へと潜った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る