第72話

七彩は初めて会った日と同じく黒のジャケットと膝上のプリーツスカートに身を包み、口元には黒地の布が巻かれていた。


今まで外にいたのかアッシュベージュの長い髪には雫が滴り落ち、ジャケットの肩口には小さな水溜りができてしまっていた。



「どうしたの?どこかに出かけるの?」


「うん。気晴らしにね。」



どうしよう、これ出ていくべきなのかな。

幸い、というかなんというか七彩はまだあたしに気づいていない。


とりあえず、と、そっと2人の様子を覗き見てみると―――



「…………は?」



―――ばっちり七彩と目があってしまった。

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