テクノロジーの脅威

医療技術を開発、研究するセンターでそれは偶然発見された。

遺伝子を意図的に操作することで細胞の蘇生や活性化をコントロールすることが出来、さらに無の状態から新しい遺伝子細胞を創り出すことが出来る。

多くの人命や、切除部分の再生などに期待を待てるこの大発見は、大統領令で完全な管理下に置かれた。

決して世に知られることなく、軍事利用に優先するためだ。

戦場で傷ついた兵士をその場で回復させるだけでなく、この技術を応用して一個体として創り出すことに成功すれば、量産してそれらを戦場に送り込む事が出来る。

不死身の兵隊が赴けば、どんな国でも自分達の思うがままだ。

その影響力は核の脅威に劣らない。それどころか、遺伝子情報さえ手に入れば本物そっくりに容姿を変えることで、敵の中枢に難なく潜入する事も可能になる。


それの持つ脅威は核を越えると言っても過言ではないだろう。

今隣にいる人物が本物なのか本物そっくりのスパイ・アンドロイドなのか区別がつかなければ極秘の話も出来ない。そうして国家は放っといても破滅、もしくは機能しなくなる。


テクノロジーの脅威はひたひたと、不気味な足音を忍ばせてすぐそこまで迫っていた。

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