「最後のクラスマッチ」
いつまでも、ずっとずっと、見ていたいと思った。
このまま、時が止まってしまえばと。
光の中で、一生懸命ボールを追う彼の姿を目にするのも、今日が最後なわけで、そう思うと、私は、時の流れを恨まずにはいられない。
どうして、時は、彼と私を同じ瞬間に留まらせてはくれないのだろう。
日に日に遠くなっていく彼を、運命だからと黙って見過ごすしかないのだろうか。
もう今では、笑って話すことさえ難しくて。
あの頃は本当によかった、なんて今さらのように思い出してしまう。
せめて、このまま私に見つめる自由をください。
まだもうひととき、夢を見させて。
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