モブ転生(実は最強)した俺が負けヒロインの恋愛相談に乗っていただけなのに、なぜかハーレム状態になる(はずの)ラブコメ(が、転生前の「俺」に妨害されちゃってる)!?
第13話 俺の部室が負けヒロインのたまり場になってしまう話し
第13話 俺の部室が負けヒロインのたまり場になってしまう話し
テスト期間や体育祭。学園の様々なイベントがつつがなく終了。少し落ち着きを取り戻したせいか。部室に負けヒロイン三人が揃うことが多くなりはじめていた。
数多くの美少女が通うダンジョン学園内でも上澄み中の上澄み、最高クラスの美少女三人が、狭い部室でワイワイ騒いでいる。 ……絶景だ。
最高クラスの美少女三人を狙っている男子は多い。事実、この数週間だけで猛者達が三人に対し様々な方法で告白し、轟沈する姿を目撃している。
そんな美少女達がダンジョン学園の最辺境、マイナーな部活が押し込められているダンジョン的部活棟で、青春の貴重な一時を過ごしている。
……とは言っても彼女達は「負けヒロイン」。「「黒皇」をどう攻略するか」が主な目的。三人は部室で俺指導の「ラブコメ的攻略訓練」が日課となっていた。
まぁ、それを言い訳に、集まっていると言えなくもないが……
「これが本日の限定スイーツです」
「わ~い♡」
テーブルの上には、オーガ後輩がコンビニで買ってきた多種多様なスイーツ類、ずらりと並んでいた。
本日の部室はちょっとしたスイーツパーティー。
「これもおいひいのお」
「美味しいです」
「……シェイク……甘い、イチゴ味」
ドラゴン同輩、とオーガ後輩食べ方が豪快、かつ可愛い。まるでリスやモモンガのようにほっぺたを膨らませながら一瞬でスイーツを平らげていく。
「サキュバスちゃん先輩、これも美味しいですよ」
「美味しそう」
「先輩、あーん♡」
オーガ後輩からスプーンを向けられ絶品プリンをパクリ。
「美味しい」
サキュバスちゃん先輩の舌が……プルンプルンな舌がとっても艶めかしい。
「……」
サキュバスちゃん先輩、スプーンがまるで
俺は三人の様子を見つめる。
「モブ先輩も食べませんか?」
「すまんな、お腹いっぱいだ」
女子三人が美味しそうにスイーツを食べている光景を見ているだけでお腹いっぱいになってしまった。
部室にいる負けヒロイン三人をジーーーーッと見つめる。
三人を見つめていると、俺はラブコメの重要ポイントを考えさせらた。
******
ラブコメにおいて最重要ポイントの一つ。
それは「キャラ(ヒロイン)の初期配置」だと考えている。
もし諸兄が創造主だったのなら、ラブコメ作品創造の際には最低でも一人、場合によっては複数のヒロインを創造するだろう。
ヒロインの創造、ラブコメ創作最難関の一つ。
様々な魅力を秘めたヒロイン達を創造する。まずはヒロインと主人公の関係性を設定するのが定石だと考える。
空から降ってきた美少女「天空の城ラピュタの「シータ」」
隣の席にで何時も主人公を
世界を揺るがす運命的な出会い、席が隣のクラスメート。
ヒロインの初期設定と関係性の変化はラブコメの核心だと思っているので、詳しくは【創作論・評論】の方で述べさせてもらおう。
今回の考察では、メインヒロインの数にポイントを絞ろうと考える。
短編から10万字(約ラノベ一巻分)程度の作品であれば、登場させられるメインヒロインの数は限られるだろう。
五人以上は難しい。10万字程度の作品であれば、キャラの描写が薄くなり、読者に魅力を感じて貰えなくなる恐れがある。
まずは、メインヒロインが「一人」の場合。
最近目立つラブコメ作品「僕の心のヤバイやつ」、先程の「からかい上手の高木さん」ラノベであれば「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」等。
メインヒロインを一人に絞ることで、主人公との関係性を濃密に描く事が出来るのは大きなメリット。
だが、デメリットも多いと考えている。
次に、メインヒロインが「二人」の場合。
だあだち充先生の「タッチ」「みゆき」は古典的作品。押切蓮介先生の「ハイスコアガール」は
メインヒロイン二人は作品が作りやすく、「三角関係」という鉄板のキャラ配置が出来るところが強みだ。
だがしかし、メインヒロインが「四人」となると、若干作り難くなる。
人気作品だと「いちご100%」や「彼女、お借りします」、ライトノベルであれば……検索では引っかからなかった。やはり難しい。
……と言う事で、10万字作品であれば、「三人」がお勧めだと考えてる。
メインヒロイン三人の作品であればラノベでは「負けヒロインが多すぎる!」や「涼宮ハルヒシリーズ」もSOS団のメンバーは女子三人+男子二人、「エヴァンゲリオン」も元は二人ヒロインだった作品が新劇場版では三人となっている。
10万字作品でメインヒロイン五人以上は少々厳しい。脇役や端役に女子、或は妹などを配置し、華やかさを添えるに留めている作品が多いと感じる。
マンガならば「五等分の花嫁」位だろうか……?
諸兄はメインヒロインの初期配置で感心した作品、面白いと思った作品は何だろうか? よろしければ「応援コメント欄」に♡をつけて書き込んでほしい。
ただ、
******
さて、何故三人が書きやすいのかと言えば、バラエティーと安定性のバランスが良いからだと考えている。
本作世界も「後輩」「先輩」「同輩」と王道三パターンのヒロインを設定した。
更に「巨乳キャラ」、「ロリキャラ」、「王道直球的キャラ」、の三パターンのヒロインを設定。
即ち、諸兄が推せるキャラを網羅しやすいのである。また、二人ほど緊張した関係性になり難いのも魅力だ。
メインヒロイン一人の場合、短編やラブコメ以外の作品が多いと考えている。
先に述べたとおり、ラブコメ作品では、メインヒロインが全員登場して、同じ場所(部活や冒険者パーティーなど)で一緒に行動する「ユニット」となることで格段にストーリーが動かしやすくなる。
部室に入り浸るメインヒロイン三人、王道パターンだ。
そして、三人の中心に俺がいる。ラブコメ的ハーレム状態、最高だ♡
だが、そんな状態は現実では有り得ない……多分。
「先輩、何ニヤけてるんですか?」
オーガ後輩が俺の顔を覗き込んだ。ド迫力、たわわな胸元が目の前で揺れている。
「俺のラブコメ的性活は充実しているという事だよ、フフフフフッ」
俺は不敵な笑み。
「生活……??」
オーガ後輩はまた小首をかしげた。
******
さて、スイーツを平らげお腹がふくれると、暫くは女子会状態。学園の噂話やファッション、恋バナなどたわいもない話しで盛り上がる。
時々ムカつくネタ、黒王が如何に格好イイかの話しなど。
その間は俺の時間、一人黙々部活動をする……が。
「モブよ、どうした」
「モブ先輩」
「モブ君」
三人から声をかけられると俺の部活動も終了。本日も短い部活動だった。
今日も部室に集結した「負けヒロイン」達にラブコメ的特訓するとしよう。
そうだな……「野球拳」でも……口が動かない。
どうやら「俺」に止められているようだ。
まぁいい、野球拳のエピソードはいつか【近況ノート】にでも書かせてもらおう。
諸兄には、これまでのラブコメ考察のまとめを【創作論・評論】を参照してほしい。感心した、面白いと思ったら「☆」や「レビュー」で評価してほしい。
このラブコメ世界と考察が何処まで存続するのか……? 諸兄の評価次第である事だけは確かである。
******
「ふぅ~、はやりラブコメヒロイン的には「ハプニング」を極めねばならぬか……」
「ハプニング?」
「そうだ。能力バトル作品ならば「能力バトル」が必須だろう。ラブコメにおいて、それは「ハプニング」だ」
ラブコメ=ハプニング。
「ハプニング……?」
三負けヒロインは、首を捻る。
「そうだな……典型的なハプニングと言えば「女子の着替えを覗いてしまう」、あるいは業者の手違いで「ヒロインと同居してしまう」等々、バラエティ豊富だ」
負けヒロイン達はオレのイヤラシい視線に敏感。ドラゴン同輩とオーガ後輩は反応。恥ずかしそう、身体を隠そうとする。
エロ反応。うむ、わかっているではないか。
「好きに覗いてもいいよ」
サキュバスちゃん先輩、ブレない。
「とりあえずハプニング。基本中の基本は「エッチなハプニング」だ」
「…………」
ドラゴン同輩、オーガ後輩ジト目。
「ラブコメヒロインはエロ被害にあってナンボ、有名どころであれば矢吹健太朗先生の「To LOVEる -とらぶる-」は有名だな」
「常にエッチなハプニングで諸兄達を
とりあえず脱がす、それが「エッチ系」ラブコメ。
ラブコメ作品において主要ジャンルの一つだ。
……さて、せっかく三人のメイン「負けヒロイン」が勢揃いしたのだから、多少エッチな「ハプニング」を発生させてみよう。
俺にはそれが可能だ。まぁ~諸兄へのちょっとしたサービスシーン、「俺」も多少ならば許容してくれるだろう。
だが、本来は不意にが重要なことは議論の余地はないであろう……
「それ以外は………………(沈黙)」
「先輩! もったいぶらずに教えてください!」
オーガ後輩思わず、紙コップの握りつぶしてしまった。
「あっ!」
中身、勢い良く紙コップ内のシェイクが飛び出した。
その後は……ハプニングの連鎖、目にシェイクが入ったデカすぎ負けヒロイン、オーガ後輩転倒、女型の巨人級の威力は再び部室を破壊し尽した。
巻き込まれる猫(勇者様)。
なんやかんやのセキュリティシステム作動。まさに「To LOVEる」状態。
マンガだったら大コマシーンの連続、アニメだったらスローモーションで描写されれてしまうようなハプニングシーンであろう。
……その惨状は。まさにエッチなハプニング。
「何と! どうして、こうなった?」
「ひえ~~恥ずかしいデス」
「モブ君、助けて」
三人の負けヒロイン達は半裸状態。オーガ後輩M字開脚、下着が……ドラゴン同輩も巻き込まれ半裸、手ブラで胸を隠している。
サキュバスちゃん先輩は全裸……当然「性描写有り」のタグは付いていない。肝心な部分は隠され、見えない仕様となっている。
しかも、全員シェイクまみれ。
何故か俺だけ被害なし。
フワフワとサキュバスちゃん先輩のパンツが顔に。ドラゴン同輩のブラ、そしてオーガ後輩のブラとパンツが俺の頭上から降ってきた。
下着の香りを堪能した後。
「ふっ、描写はかなり雑だがそれなりに見応えのあるハプニングシーンだった。今晩の賢者修行もいい感じで荒行となりそうだ」
「きゃぁ~~~~!!」
「見ないでぇ~~~~」
ドラゴン同輩思わず、猫(勇者様)を拾い上げ、俺に向かって影つけた。
猫(勇者様)♂の股間が、俺の顔面にヒット。
全裸のサキュバスちゃん先輩、口元に付いたシェイクをペロリと舐めた。
「……甘い、バニラ味」
さて、俺は一旦部室から追い出され、三負けヒロインもお着替えシーン。三人の着替えシーンも文字数オーバー気味なので無しとしよう。
だが、お着替えシーンもラブコメにとって重要なシーンである事は、議論の余地はないであろう。
******
「モブよ、他にはないのか?」
ドラゴン同輩質問。
因みに、先程のハプニングにより全員制服が破損。オーガ後輩手作りのコスプレを着用している。
三負けヒロインがどの様なコスプレをしているか? 是非「応援コメント欄」に♡を添えて考察してほしい。
……さて、話しを戻そう。
「確かにエッチなハプニングは当たり前過ぎる。考察すれば奥が深いが、文字数も限られているのでな、では核心に移ろうか」
「文字数?」
「こちら側の事情だ」
さて「ハプニング」の核心を述べるとしよう。
「ラブコメで一番面白い「ハプニング」は「引力と斥力」である(ドーン!)」
引力と斥力。それはラブコメの本質。
「それは、どのような?」
負けヒロイン達は興味津々。
それは極めて単純。
「「引力」とは主人公とヒロインをくっつけようとする状況やハプニング。反対に「斥力」とは主人公とヒロインを引き離そうとする状況やハプニングだ」
いわばラブコメとは「引力」によって引き寄せられた主人公とヒロインの物語、運命(物語的展開)によって次々、主人公とヒロインが結ばれざろうえない状況になっていく。先程述べた同居系など典型だろう。
当然「斥力」とはその逆、主人公とヒロインが引き裂かれる、或は破滅してしまう状況に陥ってしまうということだ。
ラブコメ的ハプニングとは、それら引力と斥力が発生する突発的状況が次々発生ししていると考えればわかりやすい。
そして「想い」と「行動」が相反することが、ラブコメを最高に面白くするのだ。
強烈な引力が働いている状況で、主人公とヒロインが周囲に対し、自分達は恋人同士でないと必死になって誤魔化す。
斥力が働いている状況で二人が……主人公が様々なピンチを乗り越え、より深く二人が結ばれていく。
「更に、ヒロインがもう一人加われば、まさに「三体問題(ドン!)」状況は予測不能な
そういった展開やシーン、諸兄は何度も何度も読んでいるに違いない。
「即ち、ラブコメとは「初期設定」「キャラ(キャラの配置)」。次に「ハプニング」そして……」
「そして……??」
「ゴホン、それはココでは述べぬ方が良いだろう」
詳しくは【創作論・評論】の方で解説するとしよう。
******
はやり、5000字をオーバーしてしまった。本日はココまで。
夕日をバックに四人で下校する。ドラゴン同輩も送迎車を使わず、時々俺達と一緒に帰る事が多くなっていた。
ヒロイン達の服装はジャージ、高校生にもなってジャージとはちょっと恥ずかしいかもしれないが、部活帰りの運動部女子校生集団を見かけて事はあるだろう。
少々汗ばみ、短パン生足、ヘトヘトで若干乱れた女子校生達。諸兄もそんな女子達に混じりたいと考えたことは、一度や二度ではあるまい。
しかも三人は美少女だ。「美少女達との下校シーン」。これもラブコメ的王道シチュエーション。
「モブ先輩」
「モブよ」
「モブ君」
俺の名を、満面の笑顔で呼んでくれる。それはメインヒロイン。
ラブコメ世界でしか味わえない、極上の一時だと確信している。
******
なんやかんやで無事自宅に到着。
「雨か……」
季節の変わり目か? けっこう激しい雨が降っていた。
「おっと、今日は白銀が留守だったな」
白銀は所用で留守。と言う事で今夜俺一人で夜を過ごす。
「まぁ~そんな一日も悪くない」
今夜の賢者修行は捗るだろう。一箱ティッシュ持ってきておく。
一人の時間を有意義に過ごす。外は豪雨、腹が減った。
「そうだな、外は雨だが仕方が無い。賢者修行に備え夜食でも調達しようか」
俺は自宅、玄関のドアを開けた。
そこにはズブ濡れのドラゴン同輩が立っていた。私服姿。
「…………」
今にも泣きそうなドラゴン同輩。尋常な状況ではない。
「…………」
同輩は一言も話さない。
「何故呼び鈴を鳴らさなかった?」
「…………」
ドラゴン同輩は何も答えない。
ずっとココにいたのか?
「…………」
返事がない。
「……上がっていくか」
俺はドラゴン同輩を家に招き入れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます