僕と彼女の関係は↓↑
みかんの実
君と住むアパート
君と住むアパートへの帰路。
部屋の明かりが見えて、みよちゃんが先に帰宅していることが分かる。
「ただいま」
部屋の鍵を回し、扉を開けるとシャワーの音と君の鼻歌が聞こえてきた。
今日は随分と機嫌がいいな。何か良いことでもあったのだろうか。
スーツの上着をハンガーにかけ、ネクタイを緩め、パソコンを起動する。
冷蔵庫を開けて缶ビールを取り出した。君より先に晩酌をはじめることにして、口に含めば苦みのある泡が口の中に広がった。
本当はビールはあんまり好きじゃないけれど、君が毎日飲んでいるから僕も飲むようになったのだ。
少ししてからガチャッと脱衣場の開く音がした。
と、同時に濡れた髪のままの みよちゃんが、バスタオルを巻いたまま恥じらいもなく出てくる。
「あー、さっぱりした。ビールでも飲もーっと」
みよちゃんが冷蔵庫を開けて缶ビールを取り出した。
それと、コンビニで買ってきてのだろうか、レトルトパックを電子レンジに入れてから、ソファへ座った。
「ただいま。みよちゃん。乾杯する?」
「お疲れ~。ふふふっ、カンパーイ!!」
「はは、お疲れ」
「やっと今週終わって良かったー」
「ね、やっと終わったね」
「もー、あの上司ムカつくんだよねぇ」
「みよちゃん、大変だよね。みよちゃんに意地悪する上司なんて死んじゃえばいいのにね」
電子レンジの音がして、「私の鶏塩軟骨~」なんて みよちゃんが立ち上がる。
その瞬間、みよちゃんのバスタオルがヒラリと床に落ちて、君の白い肌が露になった。
「あ、外れちゃった~。でも誰も見てないからいっか~」
なんて、彼女が産まれたままの姿で電子レンジへ向かうから。
パソコンの画面に顔を近付けて、瞳孔まで見開いて君から目が離れない。
みよちゃん、みよちゃん、みよちゃん、みよちゃん、みよちゃん、みよちゃん。
あああああ、みよちゃん、みよちゃん、みよちゃん、みよちゃん、みよちゃん。
ねぇ、みよちゃん。すごく綺麗だよ────。
君の全てが僕を虜にする。
白く透き通る肌、腰部の曲線とお尻の膨らみ、弾けるような揺れる胸。素肌な君はあどけない天使のように幼い印象になる。
きっと彼女は、人を魅了する魔力があるに違いない。
おつまみをもってきて、裸のままソファへ寝転がる無防備な君。
アルコールが回ってきたのだろうか。
みよちゃんはそのまま静かになって、寝息をたてていく。
「みよちゃん、そのままじゃ風邪ひいちゃうよ?」
「んー……」
「また、歯磨きしないで寝ちゃうのかな。全くもう…」
生活音が丸聞こえの薄い壁の建物。
パソコンの画面越しに見える同じアパートの隣の部家の彼女。
「みよちゃん、おやすみ」
画面に映る君の姿にそっとキスを落とした。
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