第45話(1) マンディーサ
朝起きて、朝食を作ろうかと私と絵美様の寝室を出た。ちょうど、ソフィアとジュリアがムラー様の寝室から廊下に出てきたのに出くわした。二人ともフラフラしている。ジュリアはガニ股だ。
「あら、ソフィアにジュリア、早いわね。どうだった?ムスカをいたぶった?」と聞く。ムスカ、二人に虐められたんだろうか?私の分の精力、残っているかしら?
「アイリス様、いたぶられたのはこっちですよ」とソフィアが言う。「あの野郎、私らを寝かせてくれません。さっきまでやられてましたよ。あいつ、それで、『顔を洗って甲板掃除してきます』ってさっさと出てきました。ジュリアと私と攻め方を変えてきやがって、ドMのジュリアはまだしも、ドSの私までやられました。8回くらい犯されたか?え?ジュリア?」
「二人合わせて11回ですよ、ソフィア。もうダメです。しばらくできません。あそこがヒリヒリします。アイリス様、あなたも気をつけた方がいいですよ。あいつは強い」
「想像できないわ。私、ムラー様しか経験がないんだもの。少なくともあなた方は、ナルセス、アブドゥラ、パシレイオスの経験もあるでしょうけど。でも、二人がそんなにガタガタにされちゃうんだったら、私、壊されちゃうかも?」
「相手によるから大丈夫ですよ。ムラー様だって、そうでしょう?エミー様とアイリス様だと攻め方が違うでしょう?私やジュリアも違うじゃないですか?」
「やってみないとわからないわね?」
「そうですよ」
「なんか、初めての時みたいで、ドキドキしてきた」
「ウブだねえ、アイリス様は。でも、ガタガタにされましたけど、決して悪いってわけじゃないですよ。何度も逝かされました。ありゃあ、スゴイ。旦那様に言って、もう1回おねだりしたいです」
ウ~、話を聞くだけでドキドキする。おまけに昨晩、アルテミス号の乱交パーティーを目の前で見たのだ。あそこがジンジンする。17才の少女だって性欲はあるのよ。普段、ハレムに住んでいるんだからなおさらよ。
マンディーサ
アルテミス号に行ってみると、もう既に娼婦たちが列を作って待っていた。まだ朝早いのに百人ぐらいいる。昨晩、選別された女たちは、列の前の方に並んでいた。そりゃあ、銀貨50枚と手下たちからの心付け、見たことのないような服をもらえて、飲んだこともないような酒を飲んで、バーベキューでラムとツナがふんだんに出れば、また来たいと思うだろう。
昨日選別された女たちの横を通ると、片膝をついて拝まれた。ちょっと、私はそういうことされる人間じゃないわ。そもそも自分が人間かどうかもわからないんだもの。あ!性欲は人間だわ!
私と同じ年ぐらいの長身の若い子がはにかんで私を見る。この子は・・・若くて清楚そうなのに手下三人を同時に相手していた子だ。昨晩、私が横を通った時、目があったのだ。さすがに、太陽が出ている今顔を合わすと恥ずかしいのだろう。私だって、恥ずかしい。
昨日は腰布だけのトップレスだったけど、今は昨日もらった服を着ていて、すごくキレイだ。手下どもにも人気があった。そりゃあそうだ。清楚そうなのに、あれを咥えてしゃぶって、乱れまくっていたんだから。砂漠縦断に奴隷女の中から何人か連れて行こうとソフィアとジュリアが言っていたけど、この子、私の侍女にもらおうかしら?闘えるのかしら?
その子を列の中から引っ張っていって、少し離れた場所で話をした。
「あなたお名前は?おいくつ?」と聞いてみた。
「ハイ、アイリス様、マンディーサと申します。今年17才になります」拝跪された。マンディーサ?『甘い女の子』ってことね。確かに、男性にとっては甘いでしょう。この子、10人以上としてたわね。生まれついての娼婦の素質があるのかしら?エジプト人だけど、アレキサンダー、プトレマイオスの連れてきたギリシャ兵士の血筋かもしれない。肌が白い。
「あなた、ギリシャ系?」
「ハイ、父はマケドニア出身の家の下級兵士でした。母はエジプトの商家の産まれです」
「ふ~ん、マンディーサ、そういう出身のあなたが、なんでまた、娼婦なんてしてるの?」
「父母は10年前に流行り病で亡くなりました。それから、母の縁戚の家を転々として、食べるためには仕方なく娼婦をやっております」
「そぉ?昨日の夜は、仕方なくって感じじゃなかったけどね?」
「・・・ああ、覚えておられましたか。なんていうか、体が疼きまして。飲んだこともないお酒を飲んでしまって、気がついたら何人もの男性と・・・」跪いていたマンディーサが上目遣いに私を見て言う。舌を出して照れている。女の私から見てもコケティッシュで、こりゃあ、男はほっとかないタイプだな。小悪魔というのはこういう子のことを言うのだろう。
彼女を引っ張っていって、漁港の端の磯の岩の一つに腰をおろした。彼女に跪かなくていいから横におすわり、と命じた。ちょこんと私の横に腰掛けた。
「マンディーサ、あなた、何ができる?」
「ハイ、料理は得意です。お裁縫も機織りも。狩りもできます、弓矢でキジを取ったり」
「剣は?」
「剣は重いからダメです。ナイフはかなり使えます」なるほど。すばしこそうだ。よし、試してみよう。
私は彼女を連れて、女たちを選別し始めたソフィアとジュリアのところに行った。「ソフィア、ジュリア、この子はマンディーサ。彼女を借りるわ。気に入ったから、腕を試してもしよければ、今晩の15人の中にいれて下さい。砂漠のメンバーにも」と二人に聞いた。
「ああ、いいですよ。すばしっこそうで、よさそうです。機転も効きそうだ」とソフィア。
私はソフィアの耳に口を近づけて小声で「ソフィアとジュリアは昨晩いなかったけど、夜もすごいのよ。10人以上としていたわ。手下の評判も良かったわ」と言った。
ソフィアが改めてマンディーサを上から下まで眺めた。「なるほど、男好きのする体の女の子だ。筋肉質ですね。タフそうだ」
「弓矢とナイフが使えるそうだから、アフロダイテ号の甲板で腕を見てみる」
「わかりやした」
私はマンディーサを連れて、アフロダイテ号の甲板に行った。ピティアスの副官が通りかかったので、彼にボウガン二種類とナイフを二丁ずつ持ってきてくれるように頼んだ。副官はマンディーサをチラッと見て、頭をかいた。ああ、彼もこの子を抱いたのね。副官、股間が膨らんでるよ!よほどいいんだわ、この子。でも、女の間の評判はどうだろう?こういう子は嫉妬されることが多いのよね。
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