第2話

「そうか。ここはアイスワールド。私が統治する地域だ。ピオ、君にはレッドと同じ立場であるスペードのセブンの地位を与える」

「え?」

シンの言葉にピオは驚く。

それよりももっと驚いたのは周りに居た存在達だった。

レッドはシンの言葉より周りの存在達のピオへの視線に戸惑う。

「気にする事は無い。このアイスワールドでは私が全て」

シンは不敵な笑みを浮かべてそうピオに言った。

「レッド」

シンはレッドを見る。

レッドは何故か目をぱちくりさせた。

「ピオと共にジュエラムに向かっておくれ。新しい幹部はあの国の王達に逢わせる事になっているのは君も知っているだろう?」

シンはいつの間にかにレッドの前に居て、顔を彼の顔に近付ける。

もう少しでレッドと鼻の頭とシンの鼻の頭がくっつきそうだ。

「向かった事は伝えておく。王達には私が宜しくと言っていたとでも言っておいてくれ。土産は持たせるから心配は無いだろう」

そう言うとシンはくるりとレッドとピオに背を向ける。

「行くぞ」

レッドは仕方無さそうにピオを連れてシンの部屋から出て行った。

レッドはまず倉庫に行ってピオのサイズに合う服を捜す。

ピオに見つけ出した服を着せると胸元にスペードの形をしたブローチを着けさせた。

このブローチこそがアイスワールドでは幹部の証であり、正式な住人として見なさせる為のアイテムとなる。

スペードの中にはローマ数字でセブンと刻まれていた。

「レッドも着けてるね」

ピオが気付く。

「俺の地位はシックス。かろうじてお前の上の地位だ」

レッドはピオにブローチを見せつける様に持ってそう言った。

「僕のも地位?」

ピオはキョトンとする。

「ああ。まぁ、これに関してはお前に拒否権は無い」

レッドは言い切った。

ピオはレッド見たまま止まってしまう。

「アイスワールドの住人として先住人達に認めさせる為にはそれが必要なんだ。その地位だけは拒否るな」

レッドはピオを説得し始めた。

「わかったよ」

ピオはレッドの勢いに負ける。

「飛行して行こう。乗れ」

レッドはトライアングルと呼ばれる某アニメに出て来る様な三角型の飛行道具に乗った。

後ろにピオを乗せる。

ハーフェはピオの懐大人しくしていた。

レッドはトライアングルで道からあまり離れていない高さで移動する。

速さも下手すれば歩いた方が早いかもしれない。

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