第5話
「あの人間共には現在の私達では勝てん。奴等はジュエラスの力を持っている」
サフィアはそう言うとその場から消えた。
「行くよ」
ラヴィはオニクスを連れて消える。
三人はレアティンクルに戻ったのだった。
「おかえり」
ロゼが戻って来た三人の前に現れる。
「パーラ姫の姿が無いね」
シアンはロゼと三人を挟む様にして立ち止まる。
「何が四天王だ。英雄王も弱かったしーー平和過ぎて力の強さなんて関係無しに地位も名誉も与えられていたのかなぁ?」
シアンはパーラを連れ戻す事が出来なかった三人を笑った。
「何故貴様等がお二人を笑う!」
オニクスがシアンとロゼに立ち向かう。
「お前ごときが我等に立ち向かえばどうなるかーー教えてやらねばわからぬか?」
ロゼがクスりと微笑んだ。
(!)
オニクスはラズリやエスメラルダの元に送り込まれる。
「オニクス」
エスメラルダがオニクスに駆け寄る。
「エスメラルダ様」
オニクスはエスメラルダを見た。
「貴方、操られているわけではなさそうね」
ラズリが言う。
「操られる?誰にです?」
オニクスはラズリを見た状態でキョトンとした。
「忠誠心の強い事は認めましょう。ですがかなり鈍い所がある様ですね」
ラズリはクスクスと微笑った。
「エスメラルダ様、何故私は王妃に笑われているのでしょう」
オニクスは泣きそうな表情でエスメラルダを見る。
「貴方と私以外の存在はノアール達カラードに操られてしまったのです。気付いていなかった事に王妃は驚かれた様ですよ」
「驚いて笑われるのがわかりません」
「それはそうなのですがーー」
エスメラルダもオニクスのあまりの天然さに堪えられずに笑ってしまう。
「そうか。君もノアールの手には堕ちていなかったのか」
(!)
ラズリやエスメラルダ、オニクスの前にブランシュが現れる。
「カラードのブランシュだったな」
エスメラルダはオニクスとラズリを庇う様にブランシュの前に立つ。
「憶えてもらえて光栄だよ。ジュエラスのエスメラルダ」
ブランシュは微笑った。
「何用だ」
エスメラルダがブランシュに問う。
「独り言を言いに来たのさ」
「独り言?」
ブランシュの言葉にエスメラルダだけで無くオニクスやラズリも眉をひそめた。
「ここからは私の独り言だ。聞こうが聞くまいが君達の自由だ」
ブランシュは何も無い場所から椅子を取り出して座る。
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