月の女神たち
海崎じゅごん
第1話
新天地。地球が滅びる寸前に偶然見つけられた惑星。
今、ここは運よく地球から脱出をすることができた人々が綿密な計画のもとに創成を行っている。
様々な調査の結果、大気成分も引力も地球と似ていた。
海もあった。この星の気候のせいか穏やかなときは滅多にないが、幾度となく繰り返される波は相当量のエネルギーを生じ、胎動を感じさせていた。
そして生物もいた。まだヒト型の動物は現れていないが、地球の人々にはどこか奇怪に見え、それでいて懐かしさを覚えるのは進化の体系が地球とそう変わらないように思えるからかもしれない。
この星を目指して地球のいたるところから多くの宇宙船が飛び立ったが、情報伝達手段もなくどうなったかはわからない。
ともあれ、この新天地が新たな「地球」となるわけで、「ノアの箱舟」の乗組員や乗客たちもこの星に順応し体系に加わるわけだ。神の奇跡としか言いようがない。
「観測衛星からデーターが届いたぞ。化粧も飾りもない素顔の新天地をみてくれ」
調査隊のひとりが周りにいた人々に声をかけた。
今は航海の務めを終え、植民本部となっている「ノアの箱舟」。その調査室のプロジェクターには人類の歴史が始まろうとしている惑星の姿が映し出されていた。
「陸と海の比が2:8、陸には山岳も高原も砂漠もある。本当に地球とそっくりだ。台風まであるとはな」
男の言葉にそこに居合わせた人々は歓声をあげた。
「お天気まで地球と変わらないとはたいした幸運だな。違いと言えば月がないところだけじゃないか」
新天地の地学的な調査を進めているチームの主任であるアランは、満足気に頷いた。
「いや、そう幸運ばかりとは言い切れまい」
そう言って現れたのはそれぞれの専門の医師たちだった。
「この星に降り立ってふた月あまり、健康だと思われた女性たちに異変が起きている」
医師の一人が何かを期待するかのように隅でおどおどしている男を見つめた。
白髪が目立つ小柄な男は産婦人科医のレスター医師。周りからの視線に目をそらしながら重い口を開いた。
「生理機能が狂っているんだ。原因がわからない……私にはどうすることもできない。はじめは疲れからくるものと思っていた。ところが不調を訴えてくる女性は増え続け、今は過半数を占めている。ひどいものは入院させているが……バレンタインさん、もうすぐ新たな命を生み出そうとしているあのバレンタインさんなんだが……」
バレンタイン夫人は地球脱出の騒動で夫を亡くしている。航海中に妊娠がわかり順調に育っていたはずなのだが。
「ご主人を亡くされたショックなのかはわからないが、出産予定日を1か月以上過ぎても生まれる気配がない」
医師たちは疲労を隠せないでいた。相手が原因不明のものだけあって、余計に神経と体力を披露させるようだ。
「風土病か。何にしてもこのままでは植民は一代限りになってしまう」
レスター医師はそういって項垂れた。
女性が倒れていく中でも植民計画は進められていた。田畑、牧場、養殖場、資源開発、動力源開発など事前に機材が持ち込まれていたせいかインフラなど急ピッチで整備された。これらと人間の知恵が無ければ原始時代とはいかないまでもかなり文化は退化していただろう。
だからといって全く地球と同じ文明文化を踏襲するものではない。人間のおごりから生まれた最終戦争によって地球が滅びたことから、自然回帰の学びがあった。
昼食が済むとひとまずバレンタイン夫人を見舞おうとアランは病室を訪問した。しかしそこに彼女の姿はなかった。やむなく帰ろうと部屋を出たとき、かすかにうめき声が階段のほうから聞こえた。
「バレンタインさん!」
移住者の中でただ一人の妊婦、マリア=バレンタインだ。階段から転げ落ちたのだろう、息も絶え絶えに虫の鳴くような声でうめいていた。
アランは急いで緊急ボタンを押すと救援を要請した。
「しっかりしてください。すぐに医療班が来ます!」
アランの言葉に少し安心したのか彼女は急に泣き出した。
「誰かが……誰かが突き落としたの。わたしと赤ちゃんを殺そうとしたのよ……」
そういうとバレンタイン夫人は気を失った。夫を亡くした今、夫人の生きがいはお腹の中の赤ちゃんだ。それだけに余計にショックが大きかったのだろう。
謎の連続にアランはしばらく冷静になれなかった。
バレンタイン夫人は医療班の手当てで何とか持ちこたえたものの意識を失ったままだ。
そしてお腹の赤ちゃんも胎動はあるものの生まれようとする兆候はなかった。
次の日、アランは養殖場の候補地を探すため衛星写真を手に地理的環境を調べていた。
仕事を終えて植民本部に戻る途中、海岸でじっと夕日を見つめている女の子に出会った。乗員唯一の日本人だ。(といっても地球が滅んだ今、どの国籍も関係ないのだが。)
「君、メグミさんだっけ。どうしたの?」
アランは何の気なしに声をかけたつもりだったが、メグミにとっては甚だ迷惑であったらしい。アランの声に振り返ったメグミは大きな瞳に涙をためていた。勝気な顔つきには言いようのない感情が込められている。
「バカ!」
そう言い残すとメグミは居住区のほうへ走っていった。
何が何だかわからず、アランは立ち尽くしている。
「あの子も女の子なのよ。そうっとしておくべきだったわね」
アランの隣にいつの間に長い金髪の女性が立っていた。大半の女性が「病人」となってしまった今、彼女のように健康よろしく働いている女性は珍しい。
「初めまして、私はアン=スチーブンソンよ。アンで結構よ。医療班で看護を担当しているの。あなたはダグラスさんね」
アンは手を差し出しアランと握手を交わした。
「あ、ああそうだよ。アランと呼んでくれたらいい。どうやら僕は多感な女の子を傷つけてしまったのかもな。アンはメグミと親しいのか?」
「メグミも不調なのかもしれないわね。ただ一人の日本人……父親の仕事の都合で日本から来ていたわけだけど、戦争から地球滅亡まで長くなかったものだから「箱舟」にのるのがやっとだったらしいわ。あの時、『箱舟』に乗ろうとしてパニックになった人々が押し寄せた。メグミの両親もその中で殺されてしまった。目の前でね……そのせいか孤立して集団に加われないでいるのよ。それに……」
「それに?」
「初潮がまだらしいの。そう心配する事はないはずだけど……見かけは大人なのに……特に今のような状況じゃ苦になるのかもしれない。言葉以上に心を閉ざしているの。まあ私は他の女性みたく『病気』にはならなかったから別だけどね」
「え?」
アランの声にアンはそっと下腹部に手を当てた。
「私、子宮がんで子宮を摘出してしまったの。不調にならずに元気なのはそのせいかも……でも子どもは産めないかもしれないけど悲しんでられない。私を必要としている人がいる限り働かなきゃね」
アンは屈託のない笑みを浮かべた。今まで緊張続きで心に余裕のなかったアランは急に肩の荷が下りた気がした。
「それにしても……なぜ女性たちに異変が起きたのだろう」
「この惑星に月がないからじゃなくて?だって地球とこの惑星との決定的な違いは月がないことでしょ?」
「そういった考えはなかったな」
アランはフッと笑った。
「冗談よ、でも知ってる?月の満ち欠けの周期と生理の周期、海の干満の時刻と出産の時刻は関係があ・っ・た・らしいわ。ここにはそのリズムがないでしょ。素人判断で女性たちの異変と関係があるんじゃないかと思っていたの」
日は落ち、あたりはすっかり暗くなった。月あかりがあるわけもなく『ノアの箱舟』の窓から漏れる光が唯一の頼りだ。
「帰ってからその話をレスター先生に話してみたらどうかな」
星が降るかのような夜空、そして相変わらず激しくエネルギーを放出している海。潮流や海の密度、風など様々な要因が絡み合っているのだろう。朝と夕方には陸風と海風の交代で凪が生じるものの、この辺の海はサーフィンにうってつけの波を繰り返している。
二人は遠く響く海鳴りを聞きながらその場を後にした。
「ふむ……月ねぇ……」
レスター以外の医師たちは信じられないといった顔つきだ。当のレスターはと言えば、ずっとふさぎこんだままだ。気のせいか妙におどおどしている。
「レスター先生、産婦人科医はあなただけなんですよ。これから人材を育成するにも時間がかかる。私たちも協力はできますが、あなたの的確な判断が必要です。事は急を要するんですよ、レスター先生!」
他の医師たちが口々にまくしたてる。いら立ちと焦りと不満が一緒になり、言葉もついとげとげしくなっていく。
「知らない、私は知らない!私は何もできないんだ、何も知らないんだ!」
興奮した様子で席を立つとレスター医師は会議室から出ていった。
「全くなんて無責任な男だ!我々人類の存亡がかかっているのに」
医師たちは口々に不満を言っている。今一番まとまりを必要としているのに人の生命を預かる医者がこれでは他の者にも影響するだろう。アランとアンはそれを心配した。
メグミはバレンタイン夫人眠っている病室にいた。アンの計らいで眠ったままのバレンタイン夫人の看護を手伝っていたのだ。シーツを交換する際、ふとバレンタイン夫人のお腹に手を当てた。
夫人を起こすかのように赤ちゃんが動いている様子が伝わってくる。それがあまりにも心地良いので思わず微笑んだ。
まだ生まれてこないこない赤ちゃん。生まれたいだろうにそれができない。
メグミの両親はやっとの思いでメグミを箱舟に乗せると、群衆に飲まれ狂乱状態の人々の餌食となった。生きててほしかったのに目の前で惨殺された。思い出せば出すほどむかついてくる。しかしこの思いはメグミだけではない。バレンタイン夫人のように夫を亡くした人、妻を亡くした人、親や子を亡くした人、友人を亡くした人……
だがいつまでも悲しんでいられない。新たな歴史を作ろうとみんな必死なのだ。
そう考えたとき、メグミは自分が唯一の日本人であることで変に拗ねていたことを自覚した。これからは人種や国籍なんて関係ないはずだ。自分も集団の一人なんだ、今は片言の言葉もすらすら話せるようにがんばればいい。
メグミは何かやりたい気持ちになった。
シーツを取り替え毛布を掛け終わったとき、アンが部屋へ入ってきた。メグミに表情が出てきたのをみてホッとした様子で挨拶をかわした。アンは真っ先に換気をして外気を取り入れた。遮光カーテンを開けた瞬間、
朝日の眩しい光がアンを包む。その姿を見てメグミはあるものを思い浮かべた。
「天使……びっくりした……『受胎告知』の天使に見えたの」
数々の画家が題材に選んだ聖書の一場面。天使ガブリエルがヨセフの許嫁であるマリアに神の子を身ごもったことを告げる場面だ。メグミは地球にいたころ、言葉を交わさないでも楽しめる図書室へ通っていた。美術の本はみているだけで楽しめた。
「ありがたいお言葉ね、女性は母性をもっているものなの。それは大人になるにつれて芽生えてくるもの、私は残念ながら聖母マリアにはなれないけど母性はちゃんとあるわよ」
「どういうことですか?」
「子宮がんで子宮を摘出してしまったから赤ちゃんが欲しくてもできなくなってしまった。仕方がなかったけどこうして生きていられるからね。生きていられる有難さを仕事でお返ししているつもりよ」
そう言うとアンはメグミに誘いかけるように話しかけた。
「この『箱舟』には多くの子どもたちがいるの。親や兄弟が亡くなった子どもたちもたくさんいるのよ。世話ができる人が少なくて手が足りないの。今はみんな植民のことで精いっぱい。あなたが手伝ってくれたら嬉しいわ」
アンの言葉にメグミは自分を必要としている人がいると知り、力がわいた。
「お手伝いさせてください、ぜひとも!」
片言でもちゃんとメグミの意思はアンに伝わった。
「頼みついでに交換したシーツを洗濯場へもっていってくれないかな。私はまだ他の人の看護があるから」
「喜んで」
メグミは交換したシーツを手にすると静かに通路へ出た。そうして産婦人科の診察室の前を通りかかったとき、男が怒鳴り散らす声が聞こえた。
バタバタと物のぶつかる音。喧嘩か。メグミは慌てて診察室へ飛びこむ。
真っ先に目に入ったのはレスター医師が男に傷つけられようとしている光景だ。メグミはとっさに持っていたシーツを男へ投げつけると二人の仲裁に入った。
「何しやがんだ、このガキめ!」
男はシーツを投げ捨てるとメグミを突き飛ばし、レスター医師に切りかかった。
「やめて!」
メグミはレスター医師をかばおうと前に立ちはだかる。刃物をよける時間もなく、刃物はメグミの右手を直撃した。途端に激痛が走り、あふれる血が床に飛び散った。
男は予想外の事にしばらくその場に立ち尽くしていたが、恐怖の為か青ざめた顔で飛び出していった。
追いかけようとしたメグミだったが傷の痛みに負けて座り込んだ。
「すまない……私の為にこんな目にあわせてしまって」
レスター医師は傷の手当てをしながらすっかり疲れきった表情で語り始めた。
「私は本当は『箱舟』に乗るべき人間じゃないんだ。スラム街で中流・上流のご婦人方の堕胎を闇で行っていた。むろん、ちゃんと産婦人科の仕事もしたが闇営業のほうが儲かった。だが、しょせん無能な医者なんだろう……ある人を子宮がんと誤診して子宮を全摘出してしまった。誤診と知ってその人は半狂乱になり死んでしまった。あの男はその人の夫なんだよ。偶然この『箱舟』にいた。神は私に償いを求めてらっしゃるのだ。私は恨まれて当然の人間だ、殺されて然るべき人間なんだ」
レスター医師はその場に泣き崩れてしまった。その姿は悲哀のせいか小さく見える。
「ねえレスター先生、先生は恨まれて当然だとおっしゃったけど、私たちには必要な方です。無能だなんて私は思っていません。どうしてもそうおっしゃるなら一緒に勉強しましょう。私も早く同じように話したいし、仕事も覚えたい、一緒に勉強しましょう」
メグミは知っている言葉や言い回しを替えてなんとか片言で思いを伝えた。そして医師の手を握りしめた。
「あの男への罪は一生消えないかもしれないが、同じ過ちを繰り返さないためにも勉強するよ。彼にわかってもらえるとは思えないが、憎まれてもともとの出・身・だ、そうするべきなんだろうな。ありがとう、私は今日まで自分が命を生み出す手助けができる医者だと自覚したことがなかった……ありがとう」
そう言ってレスター医師はあたりに散らかった道具を片づけ始めた。そのときだった。
「レスター先生!大変です、バレンタイン夫人が!」
アンが髪を振り乱して駆け込んできた。
「さっき突然意識を取り戻したかと思うと突然苦しみだしたんです、すごい脂汗なんです、先生!」
「わかった、すぐ行く!アン、君は他の看護師たちと医療班に声をかけてくれ」
レスター医師はアンにそう言うと病棟へかけって行った。アンも気が気でない様子ですぐさま連絡を取り始めた。
メグミはその事態の成り行きが心配でならなかったが、投げ捨ててあたシーツが目に入ると要件を思い出し、洗濯場へ向かった。
洗濯と言っても右手に深い傷を負っているメグミにできることといったら片手で洗い、すすぐことぐらいである。インフラ整備が急務の『箱舟』のみんなに洗濯機をつくる余裕はない。片手でなんとか絞れないかと手を尽くすのだが困難を極めた。
「手伝おうか」
それは懐かしい日本語だった。もう耳にすることはないと思っていた日本語!驚きのあまり振り向くと
栗毛の童顔の少年が立っていた。
「僕はウイリー、交換留学生で日本にいたことがあるんだ。日本語で話したくなったら僕が相手をするよ」
なんとたどたどしい日本語だろう。メグミの英語とどっこいどっこいだ。メグミは苦笑するとウイリーとシーツ絞りを始めた。
「ありがとう、ウイリー。私はメグミ、今日から友達だね」
メグミの心は新しい人間関係に興味を示した。
太陽はいよいよ高く、波は激しさを増す。海を一望する洗濯干し場からふと崖のほうを見ると…一人の人間が身を投じたのが見えた。
「誰かが海に落ちたぞ!」
ウイリーの叫びが人を呼ぶ。外で作業をしていた人々がたちまちやってきて漁で使う小舟を出す。しかしそんな小舟で崖のほうへ寄ろうものなら激しい波と岩に叩きつけられるのがおちだ。特にこの2・3日は海流の周期の関係でひときわ波が荒い。誰も近づけなかった。
夕方になり海風と陸風の交代する凪の頃、ようやく遺体が引き上げられた。顔や体は波と岩に痛めつけられ、無残としか言いようがなかった。よくみるとその男はレスター医師を襲ったあの男だ。
この星に来て最初の死者だ。アランと数人の男が手厚く葬り、居合わせた人々は祈りを捧げた。
そのころには凪がおさまり、海は再び呼吸を始めた。
幾度も寄せては引く波の音。皆がその響きを聞いたとき、アンと数人の看護師が喜びの声を上げた。
「産まれました。元気な男の子です。マリア=バレンタインさんの、この星最初の赤ちゃんです!」
さっきまで沈黙しきっていた人々はそれを忘れるかのように我先にとかけって行く。タオルで作った間に合わせの産着にくるまれた赤ちゃんの姿は人々に笑顔をもたらす。
メグミも促されて赤ちゃんを抱いたとき、メグミの体に変化が起きた。体の中の海がエネルギーを伝える。不安になってメグミはアンのほうを見た。
アンはメグミの様子に気が付くと赤ちゃんを仲間の看護師に返し、メグミを連れてそっと集団から抜け出した。
「何も怖がることはないわ。安心して」
そう言われたものの、メグミは何かしら恥ずかしい気持ちがあった。大人の仲間入りをするって不思議な感覚だ。
やがてレスター医師が現れた。ありがとう、ありがとう……みんな我がごとのように喜んでいる。
「人間はこの星のリズムに順応した。バレンタイン夫人を始め彼女たちは快方に向かっている。この星の住人になったのだ」
生き生きとした声で彼は語った。
そのリズムの正体がひと月周期の海流と波であることに気づくのもそう遠いことではないだろう。
月の女神たち 海崎じゅごん @leaf0428
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