騎士の休息
そこらへんの人
第1話
焚き火がようやくパチパチと燃え始め、あたりを熱と光で包む。大部分が大昔に崩れてしまったであろう石レンガの壁に、騎士は背を預け、そのままずり落ちるように腰を下ろした。高所に位置していたため、かつては非常に威圧的だったであろう。
真っ黒な針葉樹林の上に、青みがかった夜空。砂糖をまぶしたような星々。
「ここまで来れば安全だろ。」
騎士は小刻みに震える手で、なんとか手記とペン、インクを取り出し、何かを記し始めた。
何らかの脅威に気づいたのか、黒い鳥が一斉に飛び立ちバタバタと音を響かせた。
騎士は、疲労で今にも飛びそうな意識をなんとか繋ぎ止め、ペンを走らせた。
これを書き終えたら、休息をとろう。そう決めていた。
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