第3話

「善君は?何してたの?」


「ん?部活の奴等と話してた。今日部活無いからさ」


「ホント、善君達って仲良いよね」


「まあ、皆部活が趣味みたいな奴等の集まりだし。話は合うのかもな」



 彼はすらりと伸びたシルエットに合った、男子バスケットボール部に所属している。私は運動に疎いのであまり分からないが、中々活躍しているらしい。

 クラスメイトがそう話しているのをこの前聞いた。



「でもそれで秀果と帰れたから、部活無いのに残っててラッキーだったかも」



 ―――そしてそんな彼は、私の彼氏だ。



「うん、ありがとう。私も」


「ふは、“ありがとう”?」



 運動部で性格もはっきりしていて人懐こくて、人気者の彼と。

 思った事を中々口に出せず、挙げ句の果てやりたくもない学級委員の仕事を押し付けられてしまうような友達もあまり居ない私。


 釣り合わない。


 分かっている。


 からりと笑う彼の横顔が眩し過ぎて、つい視線を落とした。





「っていうかさあ、アイツ、善と釣り合ってないって好い加減気付けって感じじゃね?」


「あー、ね。結構ガチでウザいよねー」


「ブス自覚しろって?」


「あはは!ホントソレー」

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