…あなたの名前を入力してください

のんふぃく。

1つめの起動 わたし…は

パソコンの電源ボタンに軽く触れ、ただぼんやりと起動画面を見つめること数秒、タスクバーにいつもの配信用アイコンが表示まで待つこと3秒足らず

さて今夜もバーチャル体という仮の姿をまとうとしますか〜と、独りごち、マイクのoffを確認したところでステレオミキサーに指を添わせる。慣れた手つきでオープニングミュージックが流れる中でマイクをonにスライド……


2時間ほどの配信を終え、光はため息をついた

〖ねぇ!終わったんならお風呂入らないと!そろそろかわって〗

はいはい。

脳内に広がってきた声。光はパソコンの電源をおとし、その瞬間にガクンと頭をたれた。

「まったく……体の扱い雑なのよねぇ……」

ハスキーな声が部屋に響く

誰も居ない

そう。自分以外は。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る