オチル

(1)部屋

第52話

もうすぐ、4時。

寛人がそろそろ俺のうちにくる時間だ。

さて。邪魔者を片付けなきゃな。

「これから用があるから、帰ってくれる?」

俺がその言葉を向けた人物は驚愕の顔を浮かべる。

「えええええ? 今きたばっかだよ?」

「約束があるんだよ。ちょっとでもいいから居させてっていったのお前だろ? いきなり俺んちきたお前が悪い」

相手はそれを聞いて泣きそうな顔をする。

「ひっど~い。いいじゃん~。あたしがここにいたって。あ、前いってた子がくるの?可愛いんでしょ?その子。

あ、あたしその子に会いたいからここにいる~」

……なんとなく、こうなる予感はしてたんだ。

最近、振られて寂しいらしいしな。

仕方ないか。

「わかった。いてもいいけど。ちょっかいだすなよ?人で遊ぶな」

みるみる嬉しそうな顔をする。

単純。悟志とそっくりだ。

「わ~い! だっから信司って好き~」

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