第34話

「え?」

呼び止められたのかと思って振り返ると、信司さんは考え込むような顔をしていた。

なんなんだ…?

「あ、いや…。暇ならそこら辺で一緒になんか食べない? 今日でバイトも終わりだしさ、何か奢るよ」

え?

別に予定もない。

「かまわないですけど。ほ、ほんとうにおごってもらっていいんですか?」

こう言って貰っているのに無碍にことわっちゃあいけないよなあ。

信司さんは、優しいし、親切だけど。

なんか馴染めなかった。

たった3日だったし。

ここにバイトに来る前もレンタルするのに顔合わせてたけど。

なんか苦手だ、と感じていた。

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