第32話

「あり?」

きょろきょろしてしまう。

確か刑法の講義までは一緒だったよなあ。

今日はいけないとも聞いてないし…。そんな僕の行動を不自然に思ったのか、信司さんが口を開く。

「どうしたの? 悟志なら調子悪くって帰ったよ? ――悟志、寛人くんにメールしておくっていってたけど着てない?」

あ。

ケイタイ、電源切ったままだ…。

ケイタイを取り出し、センターに問い合わせすると、メールが着ていた。

1件。

『ごめん! 体の調子が悪くて今日は帰る~。信司には言ってあるから、わかんないことあったら信司に聞いて。最後の日なのにほんとごめんな。埋め合わせはするから』

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