第26話

「君を拾ってきたときはラッキーだと思ったよ。人間に深く関わらずに、僕の世話をしてくれるロボットを見つけたと思ってね。

人間に近い人工知能をもつのが難点だと思ったが、話し相手も欲しくてね。

ちょっといじらせてもらったよ。

対等な関係ができるように。

楽しかった。

なあ、紅蓮。

僕を恐ろしい者だと思うかい?

思うよね。

人間に仕える、親しく接するってプログラムは変えてないんだから」

「蒼貴!!」

オレは大声で蒼貴の名前を呼び、肩を掴み、そして抱きしめてやった。

「恐ろしいなんて思うわけ無いじゃねえか。

オレの主人は蒼貴なんだし。

別に殺してるわけじゃないからいいんじゃねえの?

禁断症状がでて、変になる蒼貴見るより、よっぽどいいぜ。

だから泣くなよ。

オレはお前を嫌ったりはそない」

そう、蒼貴はしゃべりながら泣いていた。

オレにこんな場面を見られたからだろう。

嫌われると思ったのだろう。

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