第23話

墓を、掘り返していたからだ。


オレが唖然と見ていると、まだ埋めたばかりの土は柔らかく、簡単に棺に辿り着いたようだ。

でも。

手で掘り返してたよな?蒼貴。

どういうつもりなんだ??

オレは息をのんだ。

ってか。

オレは生きてるわけじゃないから、そんなことはできねえんだけど。

気分的にはそんな感じ。

蒼貴は棺をあけ、中の死体を取り出し、おもむろに、死体に噛り付いた。

「……!!」

声をあげそうになった。

何で、何で、何で。

その言葉だけが交差する。

土葬だとはいえ、血は固まっているはずだが、それでも、凝固したものが、蒼貴の口にくっつく。


――あの袖にくっついていたものは。

死体を食べたときに着いた血だったんだ。

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