第42話

友達から聞かされた話に、私は昔を思い出していた。


私が彼に初めて会ったのは、確かあの合コンがあった日のはず。


なのに彼は、それ以前から私を知っていたという。


しかもその時期は、前の彼に振られたあたりで……。



あの時、突然告げられた別れ話。


理由を聞いても何一つ教えてくれなくて、好きな人ができたの一点張りだった。


追求する私の目すらも見てくれなくて、逃げるようにその場から立ち去っていったのを覚えてる。


今となっては確認のしようがないけれど、その時別れを告げられたのも、もしかして───




いや、考えても仕方のないことだ。


今さら終わったことをあれこれ考えてもどうしようもないこと。


ただ言えることは、彼とのあの日の出会いは偶然でもなく、計画的に仕組まれたものだったという事だけだった。

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