第7話

気分上々で仕事をあがり、バイト先を後にする。


デパートから駅までは徒歩五分とかからない。


従業員通用口を出て駅に向かって歩いていると「瀬尾!」と声を掛けられた。


その声に振り返れば、



「…あぁ、町田か」


「なんだよ、「あぁ」って」



むくれた顔を見せるのは、同じ大学に通う町田だった。


元々同じ学部で、度々顔を合わせる機会も多かった。


それでも直接話す事は無かったんだけど、たまたまバイト先の違う店舗に町田がいたのだ。


初出勤の日に従業員通路で偶然ばったり会った時は、思わずお互いに目を見合わせてしまった。


そんなことから町田とは喋るようになったんだけど。



「つか、瀬尾は相変わらずがっつりしたもん食うのな」



チラリと手に下げたビニール袋を覗き込むと、「もっと女子っぽいもん食えよ」なんて余計な一言まで添えてくる。



「うるさいなぁ。人の食べ物にケチつけないでよ」



そう文句をこぼしながら2人で駅まで歩いた。

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