第4話

バイト先は自宅と大学の中間地点にある、比較的大きな駅近くのデパートの地下食品売り場だ。


ここを選んだ理由の一つは時給がいいから。


それが主な理由だけど、この店は全国展開されてるデリのお店で制服がかわいかったというのも理由の一つだった。


慣れないデパートの入館の仕方や売り場での作法など、最初こそ戸惑うばかりだったけど、慣れてしまえばそう難しい事はなかった。




働き始めて一年ちょっと。



「いらっしゃいませー。本日のオススメはビーフシチューでーす」



普段よりもほんの少しだけ声色を上げての接客。


大学がある日は夕方から入る事がほとんど。


今は夕方6時を過ぎたところで、時間的にも仕事帰りの人が増えて来て、ちょうど忙しい時間だ。



「瀬尾さん、18品目のサラダ追加で入れて置いてくれる?」


「分かりました」



売り場リーダーの真野さんに言われて、彩のバランスを考えながらトレーに盛っていく。


その間も絶え間無く訪れるお客さんに、店は数人のバイトが行ったり来たりと忙しなく動き回り、あっという間に閉店時間を迎えた。

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