【正規表現講座（全30回）】をこのエッセイで時々やります。毎回ではない。

■ はじめの一歩（第1回～第3回）

第1回『正規表現ってなに？』

★正規表現とは？

正規表現（せいきひょうげん）とは、文字の並び（＝文字列）の中から、特定のルールに合った文字を見つけ出すための「検索ルール」のことです。

簡単に言えば、

- 「こんな形の文字を見つけたい」

- 「このルールに合っている文字列だけを抜き出したい」

というときに使える、とても強力な道具です。

★正規表現って何に使うの？

こんな場面で役立ちます：

- 大量の文書からメールアドレスだけを探す

- 入力された文章の中から電話番号を抜き出す

- 表記ゆれを見つけて一括で置換（変換）する

- あるルールに合っていない入力を弾く（例：会員登録の入力チェック）

つまり、「文字のパターン」を見つけたり、整理したりする作業が得意なんです。

★たとえばこんな時

- クラス全員の名前が並んでいる中から、「田中」さんだけを探したい

- メモ帳に日記がいっぱい書いてある中から、「2025年4月」の日記だけを読みたい

- Excelのデータから、「090」で始まる電話番号を探してミスがないかチェックしたい

こういう時、目で一つ一つ探すのは大変。でも正規表現なら一発で見つけ出せます！

★正規表現の超シンプルな例

たとえば、「abc」という文字を探したいとき、正規表現はこう書きます：

abc

これで探せる文字列の例：

- abcde

- xyzabc

- 123abc456

このように、正規表現で「abc」と書けば、そのまま「abc」を含む部分を見つけ出してくれるんです。

★第1回のまとめ

- 正規表現は「文字を探すためのパターン」

- 膨大な文字列の中から、特定のルールに合ったものを素早く探せる

- 置換や抽出、データの整理にとっても便利！

第2回……実際に 正規表現を書いてみる 練習

★🔤 文字列の中から特定の単語を探す

たとえば、こんな文章があったとします：

今日は晴れです。明日も晴れるといいですね。

この中から「晴れ」という言葉を探したい。

そんなとき、正規表現ではこう書きます：

晴れ

この「晴れ」というパターンにマッチ（＝一致）する場所を探してくれるんです。

🧪 ためしてみよう！

他にも、こんなふうに書けば探せます：

- 「東京」 を探す → `東京`

- 「2025」 を探す → `2025`

- 「abc」 を探す → `abc`

これはまだ「特別な記号」は使っていない、いちばん基本の正規表現です。

★💡 ポイントまとめ

- 正規表現は「検索パターン」です。

- 普通の文字列を書くと、そのまま同じ文字を探します。

- この状態で正規表現を使っても、「ふつうの検索」と同じ感覚で使えます。

でも……

これから、正規表現ならではの「すごい力」が出てきます。

たとえば：

- 「どんな数字でもいいから探したい」

- 「“a”で始まって“c”で終わる3文字だけ見つけたい」

などなど。

★2回目の復習

✅ 正規表現は、最初はただの文字列として使える

✅ 書いた文字列にぴったり一致する場所を探す

✅ 例：「abc」→ abcが含まれる箇所を探す

第3回「マッチ（合致）するってどういうこと？」

🔍 マッチとは？

「マッチする」というのは、ある文字列の中に、正規表現で書いたパターンとピッタリ一致する場所があるという意味です。

たとえば、

文字列：今日は雨です。

正規表現：雨

このとき、「雨」という部分が正規表現とマッチ（＝合致）します。

逆に、「晴れ」という正規表現を書いたら、この文章の中にはないのでマッチしないということになります。

📌 正規表現はどこで使えるの？

正規表現は、ただの「プログラマーの道具」ではありません。

次のような、私たちがふだん使っている一般的なソフトでも使えることがあります：

✅ Microsoft Word

- 「検索と置換」で「ワイルドカード」を有効にすると一部正規表現に近いことができます

- ただし完全な正規表現ではないので注意（例えば \d や \w は使えません）

✅ 一太郎

- 「詳細検索」で「正規表現」をONにすることで利用可能

✅ メモ帳（ノートパッド）

- Windows標準のメモ帳では使えません

- ただし「Notepad++」という強化版エディタでは正規表現検索が使えます

✅ WZエディター

- 僕が使っている WZエディター は、正規表現に強い高機能エディタです！

- 検索・置換で「正規表現を使用する」チェックを入れることで、本格的な正規表現が使えます

- 例：`^.*です。` → 各行の末尾が「です。」で終わる行を探す

✅ ブラウザ上のツール

- 「[Regex101](https://regex101.com/)」や「[RegExr](https://regexr.com/)」などで無料で試せます

- 書いた正規表現がリアルタイムでどうマッチするか表示されて便利！

✅ プログラミングでも大活躍！

- Python、JavaScript、PHPなど、ほとんどの言語でサポートされています

💬 今日のまとめ

- マッチ＝正規表現と文字列が一致した部分のこと

- 「一致した！」＝マッチ、「見つからない」＝マッチしない

- Word や WZエディター、Notepad++ などで正規表現は使える！

- WZエディターでは「正規表現検索／置換」がばっちり使えるのでオススメ！

次回（第4回）は、いよいよ「.（ドット）」という記号について学びます。

この記号を使うと、「なんでも1文字」探せるようになりますよ！